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ヤンセン ポジションクローズで退職に合意しなかった労組メンバー、全員が本社直属の新設部門に異動

公開日時 2023/03/29 04:52
「東京管理職ユニオン・ヤンセンファーマ支部」(略称:ヤンセンファーマ従業員労働組合、以下「ヤンセン労組」)は3月28日、組合員全員が本社直属の新設部門に今年2月に異動になったことを明らかにした。新設部門は、同社製品(製品名非開示)のセールスやマーケティングを主業務としており、業務内容や部署内ルールなどの設定まで任されているという。ただ、異動による賃下げや降格はいまのところなく、現時点では給与面での明らかな不利益変更は受けていない。取材に応じた労組幹部は「現在、全てイチから仕事の準備をしている段階」と語った。

一連の労働問題は、ヤンセンの關口修平社長が2022年11月11日に全社員を対象に行った社内ミーティングに端を発する。この場で關口社長が日本法人の一部の部門について、事実上の人員削減となる「ポジションクローズ」を実施すると明言。会社側は退職勧奨に合意するかどうかを12月15日までに意思表示するよう求め、退職に合意しなかった社員を中心にヤンセン労組が結成された。

そして、23年1月11日に初の団体交渉を行い、会社側はポジションクローズの対象者のうち退職に合意しなかった社員に対して、1月中旬頃に「適切なポジション」への配置転換の異動通知を行い、雇用継続する予定と回答した。

◎ヤンセン労組・内村執行委員長 前向きに取り組むものの「皆、納得していない」

今回明らかになった本社直属の新設部門のメンバーは20人強で、ほぼ全員がポジションクローズの対象となり、退職に合意しなかった社員となる。ヤンセン労組の組合員は1月時点で20人(うちMRは17人)だったが、全員が2月1日付で新設部門に異動となった。ほか数人はポジションクローズの対象となったが、退職に合意せず、ヤンセン労組にも参加していない社員だという。なお、現在のヤンセン労組組合員は30人弱。

ヤンセン労組の内村政博執行委員長は本誌などの取材に対し、今回の異動に対する組合員の受け止めについて、「みんな、仕事は仕事として頑張ろう」と前向きに取り組んではいるものの、「これまでの経過があり、会社側の説明不足もあり、皆、納得はしていない」と述べた。ポジションクローズの社内告知から始まり、複数回の退職面談、労組結成、新設部門への異動というこれまでの経緯から、「不安な気持ちは継続している。気持ち悪い感じもある」と現在の心境も語った。新設部門の業務内容については、「現在、全てイチから仕事の準備をしている段階」とのみ話してくれた。

◎東京管理職ユニオン・神部書記長 「直ちに法的に問題かといえば、今は何とも言えない」

今回の新設部門への組合員全員の異動が法的に問題かどうかについて、東京管理職ユニオンの神部紅書記長は、「現時点では仕事の準備段階にあり、(組合員それぞれの)業務内容が固まっていない。賃下げや降格などの分かりやすい不利益もない」ということを理由に、「直ちに法的に問題かといえば、今は何とも言えない」と述べた。ただ、業務内容のほか、人事評価や給与・賞与が今後どのようになるのかを注視していく姿勢をみせ、「今後の団体交渉でも明らかにしていきたい」と強調した。

◎ユニオンに入ること躊躇しないか 不当労働行為の申し立ても検討へ

また、神部書記長は、▽ヤンセン労組に当初加入したものの、その後に労組を脱退した社員は、クローズされたポジションで今も業務に従事している、▽組合員全員の新設部門への異動を他の社員がどう見るか。ユニオンに入ることを躊躇しないか――と指摘。このうち労組を脱退した社員のケースは、会社側の切り崩しにあったものとの見方を示した。そして、これらの事例は「不当労働行為のひとつの事例」との認識を示し、今後の会社側の対応次第で、東京都労働委員会への申し立ても検討していく構えをみせた。

不当労働行為は、使用者(会社や事業者)が労働組合や労働者に対して、団結権や団体交渉権、団体行動権を侵害するような行為のことで、労働組合法で禁止されている。

◎ヤンセン広報部 労組の意見や声を真摯に受け止める

ヤンセン広報部は本誌取材に、新設部門を設けた事実関係について、「詳細についてはお答えを差し控える」とした上で、「労働組合の皆さんからのご意見や声を真摯に受け止め、誠実に対応していく」とのコメントを寄せた。


◎2回目の団交 会社側「一部に行き過ぎた行為があった」と認める

会社側とヤンセン労組は3月23日、2回目の団体交渉を行った。1回目の団交時に労組側が、退職勧奨面談において退職強要と受け取られかねない事例があったことを指摘し、会社側が持ち帰って確認することになった。東京管理職ユニオンによると、2回目の団交時に会社側が、「一部に行き過ぎた行為があった」と認めたが、“行き過ぎた”具体的な内容は明らかにされなかった。

神部書記長は、「我々は一連の面談は退職強要だと考えている。今後の団交で改めて追及していく。面談した上司はピックアップしており、併せて責任を追及していく」と述べ、会社側に3回目の団交を申し入れる考えを示した。また、「ヤンセンに限らず外資系企業で人員整理のやり方はパターン化している。日本では、この手法自体が間違いであると言い続ける必要がある」と強調。しつこい面談や不適切な表現で不当な心理的圧力を加えたり、退職する以外に方法はないと社員に思わせることなどは退職強要にあたると引き続き訴えていく意向を示した。
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