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GE・BS学会が5つの提言 後発品の数量目標廃止し品質管理・安定供給の具体的政策立案を

公開日時 2023/04/11 04:51
日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会(武藤正樹代表理事)は4月10日、後発品の供給不安が続く状況を踏まえ、「ジェネリック医薬品の品質・安定供給の新たなステージを目指して」と題した提言を公表した。提言では、2024年度以降は、新たな数量シェア目標を廃止し、「品質管理・製造管理の確保」と「安定供給」の具体的な政策立案とそのフォローという新たなステージに移行することを提言した。また、総価取引が横行する薬価制度・流通制度をめぐり、薬価差解消の必要性を指摘。病院外来における包括支払い制のさらなる拡大や参照価格制度の導入を提案した。

◎後発品の数量目標や診療報酬のインセンティブは「限界」 24年度改定で廃止を

提言では、「ジェネリック医薬品の使用促進の数量目標の廃止と品質・安定供給策への転換」が柱となっている。ジェネリックメーカーの不祥事の背景に「数量目標による普及策とジェネリック医薬品の薬価下落が影響したことは否めない」と指摘。現行の数量シェア目標や診療報酬上のインセンティブによる普及策は「限界」とした。そのうえで、現行の目標である「23年度末までに全ての都道府県で数量シェア80%以上」という目標の維持にとどめ、新たな数量目標を置かないことを提言。24年度改定以降で診療報酬・調剤報酬のインセンティブである後発医薬品調剤体制加算などを廃止し、逆に80%使用割合に達しなかった場合には減算措置を別途導入することを提案した。

◎品質管理や安定供給に取り組む企業を企業要件で加算を

新たな目標として、ジェネリック医薬品メーカーの「品質管理・製造管理」と「安定供給」への誘導策を推進するため、24年度診療報酬改定で、「品質管理・製造管理」、「安定供給」に取り組む企業については、「ある意味、“企業要件”としての加算」を検討することを提案した。このほか、先発品1品目に対して保険収載できるジェネリック医薬品の品目を各社の製造能力・製造計画に応じて限定することを提案。共同開発を起点とした製造委受託を活用する製造販売業についても、「有事でも柔軟に増産対応ができる安定供給体制を構築できる企業を評価するような制度」と導入することも提案し、「ジェネリック医薬品産業への参入ハードルをあげ、品目の絞り込みを行うことが必要」とした。

◎薬価差解消へ 外来包括や参照価格導入、公定マージン・クローバックも提案

後発品が総価取引の調整弁とされている現状を踏まえ、「薬価差のさらなる解消」の必要性も指摘した。薬価差解消に向けて、病院外来による包括支払い制のさらなる拡大、参照価格制度の導入、医師が調剤することを完全に禁止する医薬完全分業の実現や、保険薬局における公定マージン制度の導入とクローバック制の導入も提案した。

◎バイオシミラーの普及目標「医療費節減効果額で提示すべき」 

このほか、流通改善ガイドラインの遵守や、バイオシミラーのさらなる普及、都道府県別フォーミュラリーの導入も提言した。バイオシミラーをめぐっては、「普及目標を医療費節減効果額で提示すべき」と提案。高額療養費、公費負担によりバイオシミラーの普及が進まない品目については患者の自己負担分の減免することでバイオシミラーの選択を促すことなども盛り込んだ。CMO(医薬品製造受託機関)、CDMO(医薬品開発製造受託機関)の育成を進める必要性にも言及した。

◎都道府県別フォーミュラリー導入も柱

提言は、①ジェネリック医薬品の使用促進の数量目標の廃止と品質・安定供給策への転換、②薬価差のさらなる解消、③流通改善ガイドラインの遵守、④バイオシミラーのさらなる普及、⑤都道府県別フォーミュラリーの導入-の5本柱から構成されている。22年10月から同学会の制度部会(小山信彌座長)で検討を開始。関係者のヒアリングを踏まえ、3月28日の理事会で承認された。


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