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日米欧製薬団体 24年度薬価改革へ提言 特許期間中の薬価維持、長収品の引下げなど「非効率な支出削減」も

公開日時 2023/04/17 04:49
日米欧製薬3団体は4月14日、2024年度薬価制度合改革への提言を公表した。提言では、24年度改定を「負の流れを変える重要な機会」としたうえで、優先的に検討されるべき改革案として、特許期間中の薬価の維持と新薬の薬価算定の改善に加え、ジェネリック医薬品・バイオシミラーの導入促進や長期収載品の迅速な価格引下げの促進など、「非革新的な医薬品への非効率な支出の削減」も提言した。改革の実行に向けて、官民対話の機会も要望した。

◎有識者検討会で優先的に検討すべき3つの項目

日本製薬工業協会(製薬協)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)は提言で、「日本が市場の持続的な成長を取り戻し、世界最新の治療法やワクチンの開発とアクセスの上で取り残されないためにも、薬価制度改革を含めた創薬イノベーション・エコシステムの強化が喫緊の課題」と指摘した。

そのうえで、「厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会(有識者検討会)」において、24年度薬価制度改革に向けて優先的に検討されるべきと考える」改革案を示した。

提言は、①特許期間中の薬価の維持、②新薬の薬価算定の改善、③非革新的な医薬品への非効率な支出の削減-が柱。

特許期間中の薬価維持については、毎年薬価改定の導入や市場拡大再算定により、「他の先進国とは対照的にビジネス上の不確実性に直面している」と指摘。課題解決に向け、「特許期間中の革新的医薬品を市場実勢価格による改定の対象から除外し、また、過大な薬価差や薬価差の偏在が生じない制度への移行に向けた議論を継続するとともに、有識者検討会が提起する現状の課題を踏まえ、市場拡大再算定と類似薬への適用(とも連れ)ルールの改善を提言する」とした。

◎評価基準の拡大、類似薬の選定対象拡大を

新薬の薬価算定については、イノベーションの評価について課題を示し、特に新たな治療法やモダリティについては適切な類似薬がないことから適切に評価されていないとした。その結果、「とりわけファースト・イン・クラスの販売価格は、他の先進国の販売価格と比較して一層乖離が生じ、日本における早期上市のインセンティブの低下を招いている」と指摘。「新薬の薬価算定を改善するため、現行の要件では評価されにくい医薬品の価値をより総合的に評価できるように評価基準を拡大するとともに、類似薬の選定対象を拡大することを提言する」とした。

◎GE・BSの導入促進、長期収載品の迅速な価格引下げの促進なども提言

こうした提言を実施するために、「財政的余地を生み出す機会が医療制度全体に多く存在する」との考えを示し、「私たち製薬企業も、重複投薬や多剤投与の削減、臨床的に適切なジェネリック医薬品・バイオシミラーの導入促進、安定供給を確保しつつ長期収載品の迅速な価格引下げの促進など、様々なステークホルダーが提案するコスト削減策に対して役割を担いたい」とした。

そのうえで、「私たちは、こうした政策変更が単純なものではないことを理解していますが、すべてのステークホルダーが集まり、互いにパートナーとして共通の目標に向かって協同することで最良の策が生まれると信じている」として、官民対話を強化する必要性を強調した。
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