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介護現場の爪白癬啓発活動 ケアマネ1人あたり1.2人の利用者・患者が医師に相談、8割で治療開始

公開日時 2023/05/22 04:52
爪白癬の啓発チラシを配布したケアマネジャー1人あたり1.2人の利用者・患者が医師に相談し、その81%が爪白癬と診断され治療を開始した――。このような調査結果を、ケアマネジャー(以下、ケアマネ)向け会員制ウェブサイトを運営するインターネットインフィニティーがまとめた。同社は科研製薬と「足の健康を守るためのプロジェクト」を企画・実施。地域包括ケア時代に対応する新たなマーケティング手法のひとつとして、ケアマネを通じた介護と医療との連携の可能性を調べ、実際に高水準で治療につながったデータが出てきた。

今回のプロジェクトでは、インターネットインフィニティーの会員制ウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」にケアマネ向けの爪白癬の解説記事を全4回配信(22年6~7月)。この記事を読んだケアマネのうち、爪の健康について利用者・家族に周知したい人を募集し、応募したケアマネ885人に爪白癬の啓発チラシを配送。利用者宅を訪問した際に、利用者・患者にチラシを配布してもらい、医師への相談状況や治療開始の有無の確認を依頼した。

効果検証のためのアンケート調査を実施し、有効回答397人を解析した。その結果、ケアマネは計3108枚のチラシを配布。爪について皮膚科医やかかりつけ医に相談した人は466人で、医師に相談した後に爪白癬と診断がついた人は375人。そして爪白癬の外用薬が新たに処方された人は336人、内用薬は111人だった。なお、新たに治療薬が処方された人数の計447人で、今回爪白癬と診断がついた人数(375人)よりも多くなったが、この理由として併用療法が選択された可能性や、治療を中断していた人がカウントされた可能性があるとしている。

インターネットインフィニティーは、「高齢者に多く、診断・治療を受けている割合が少ないと考えらえる爪白癬のような疾患については、ケアマネへの教育及び啓発資材の提供によって、未受診・未治療の患者さんを医療につなげられるのではないかと期待できる結果が得られた」とコメント。また、要支援・要介護の高齢者は「寝たきり」であると誤解されがちだが、実際は周囲の助けを借りながら外出したり、社会活動や趣味を続けるなどしていると指摘。その上で、「ADLやQOLの低下を防ぎ、できるだけ長く住み慣れた地域・家で暮らせるようにするために、介護と医療の連携はより一層推進されるべき」だとしている。

【訂正】社名の表記に誤りがありました。訂正します。(5月22日11時50分)
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