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経口新型コロナ治療薬市場 ゾコーバの処方シェア56%に 国購入品と一般流通品の合計で

公開日時 2023/06/13 04:50
経口新型コロナ治療薬市場でゾコーバの処方シェアが右肩上がりに伸び続け、直近の5月最終週で56.0%となったことがわかった。これはラゲブリオ、パキロビッドを含む経口薬3製品について、クリニックにおける処方データをもとにした分析結果で、国購入品と一般流通品の合計シェアとなる。本誌は5月19日に一般流通品を分析対象とした市場データから、ゾコーバのシェアは4月時点で11%と紹介した。データソースの違いに留意が必要だが、ゾコーバは現在、国購入品が多く使用されているといえそうだ。

文末の「関連ファイル」に、経口新型コロナ治療薬3製品の処方シェア推移の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。

ミクス編集部は、経口新型コロナ治療薬3製品について、エムスリーが独自に構築したリアルワールドデータベース「JAMDAS」(Japan Medical Data Survey:日本臨床実態調査)を用いて、2月1日から5月31日までの各週の実処方の動向を調べた。

◎ゾコーバ 18歳~40歳未満の年齢層で処方多く

4月3日の週まではラゲブリオがトップシェアだったが、4月10日の週からゾコーバが首位に立った。5月の大型連休中にシェア逆転はあったものの、5月8日の週から再びゾコーバが首位となり、直近5月29日の週(29日~31日)の処方シェアはゾコーバが56.0%、ラゲブリオが38.9%、パキロビッドが5.2%――だった。

エムスリーは、3製品の処方患者の背景について、「JAMDAS上で把握できる重症化リスク因子の有無別に見てみると、重症化リスク因子のある患者はラゲブリオ、リスク因子のない患者はゾコーバがより多く処方されている」と説明。処方患者の年齢層は、ゾコーバは18歳~40歳未満をボリュームゾーンに若年層により多く処方され、ラゲブリオは65歳以上に多く処方されている傾向だとしている。

ゾコーバは、12歳以上かつ重症化リスク因子を有していない患者に処方でき、ラゲブリオとパキロビッドは重症化リスク因子を有する患者に処方可能との特長があることが、今回の結果に表れたとみられる。
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