厚労省 ゾコーバ投与前の妊娠確認で再度注意喚起 「事前チェックリスト」など資材活用徹底を
公開日時 2023/07/03 04:50
厚生労働省は、経口新型コロナ治療薬・ゾコーバ錠の投与前の妊娠確認と、「事前チェックリスト」などの資材の活用の徹底を求める事務連絡を6月29日付で発出した。同剤投与後に妊娠していることが判明した症例が新たに3例確認され、その一部で投与前の「事前チェックリスト」が使用されていない事例が含まれていたため再度、注意喚起した。
同剤の市販直後調査は5月23日に終了した。その間に同剤投与後に妊娠していることが判明した症例が2例、投与の数日後に妊娠検査薬で陽性反応が出たことを担当医師に申告した症例が1例あり、計3例が集積されていた。そして今回、市販直後調査の終了以降、6月20日までに同剤投与後に妊娠していることが判明した症例が新たに3例確認された。新たな3例のケースでは、いずれも同意取得時に妊娠していないと判断されたが、一部で「事前チェックリスト」が使用されていなかった。
厚労省はこれまでに妊娠確認に関する注意喚起の事務連絡を3回発出しているが、新たな症例の判明を受けて再度、注意喚起することにした。今回の事務連絡では、▽製造販売元の塩野義製薬が周知している「事前チェックリスト」及び患者向け資材「ゾコーバ錠125mgを処方された女性の患者さんとご家族のみなさまへ」の活用の徹底、▽妊娠している可能性についての入念な説明と確認、▽最新の資材の活用――を改めて求めた。
同剤は、動物実験でウサギの胎児に催奇形性が認められた。人での影響はわかっていないが、妊娠中に服用することで胎児奇形を起こす可能性があるため、妊娠又は妊娠している可能性のある女性は禁忌となっている。