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中外製薬・飯倉研究本部長 創薬研究のDX化を通じ「R&Dのアウトプット倍増」 ロボティクスも導入

公開日時 2023/07/19 04:51
中外製薬は7月18日、中外ライフサイエンスパーク横浜(横浜市戸塚区)でメディア向け見学会を開催し、ロボティクスやAI、クライオ電子顕微鏡など最先端技術を活用した創薬研究の取り組みを解説した。同社の研究戦略は、抗体エンジニアリング技術や中分子創薬技術を強みに、「技術ドリブン」による疾患ターゲットへの最適なアプローチを可能にすること。会見した飯倉仁執行役員研究本部長は、「これに外部連携やデジタルを加えることで、R&Dのアウトプットの倍増を目指す」と意気込んだ。また、「創薬研究のDXを通じてDry(デジタル)とWet(生物学的実験)の融合による創薬研究技術開発を進める」との考えを披露した。

◎自走式モバイルロボット導入 研究者の生産性向上・ワークライフバランス推進を期待

今年4月に本格稼働した中外ライフサイエンスパーク横浜は、イノベーション創出に向けて施設面、設備面で様々な工夫が取り入れられている。施設面では、「スパイン」と呼ばれる研究棟と居室棟をつなぐ全長300メートルの廊下があり、「偶然会った人たちが自由に会話できる」(飯倉研究本部長)など、異なる分野の研究者同士が活発なコミュニケーションを促す仕組みを採用した。設備面では、“次世代ラボオートメーション”をイメージした自走式モバイルロボットを導入するなど、ロボティクスを取り入れることで、研究者の作業工程の生産性向上やそれにともなうワークライフバランスの更なる推進などを目指している。

◎ Lab Automationシステム、デジタル基盤整備、デジタル人財力強化-の3本柱

一方、Dry(デジタル)とWet(生物学的実験)の融合による創薬研究技術開発に注力している。同社は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速を目的に、①Lab Automationシステム、②デジタル基盤整備、③デジタル人財力強化-の3本柱を掲げ、これらインフラを活用し、同社の掲げるR&Dのアウトプットの倍増と生産性向上を実現させる取り組みだ。

このうちLab Automationシステムは、研究者の夜間・週末など時間の活用を有効にするだけでなく、「今まで以上の複雑な操作をロボットにさせることで、応用範囲を広げ、膨大なデータを創出できるようになる」(太田淳モダリティ基盤研究部長)という。一方でロボティクスによって生み出された膨大データを格納し、データベース化することで、「定型業務が自動化され負担減になるほか、デジタル人財力の強化にもつながる」とメリットを主張する。

さらにデジタル人財力について太田部長は、「研究所は個別化された業務が多い。自動化できない範囲や現場に近いところは研究員が独自でアプリやプログラムを開発することで自身の業務を変革していただく。このためデータサイエンティストによるデジタル教育活動に力を入れている」と明かしてくれた。

◎クライオ電子顕微鏡 中分子医薬品の立体構造の取得が可能に

このほか、国内の製薬企業のラボで初めて導入した「クライオ電子顕微鏡」についても紹介した。鳥澤拓也タンパク質科学研究部長は、「従来はX線結晶構造解析による立体構造の入手に時間が掛かった。クライオ電顕装置による解析の良いところは結晶化が不要ということ。創薬プロジェクトの早期に立体構造が取得可能となり、創薬開発の起爆剤となる手法として注目されている」と強調。すでに現時点で、「クライオ電顕が苦手な分子量の大きくない“膜タンパク質以外”の標的タンパク質でも高分解能構造を得られるプラットフォームを独自に構築した」と明かし、中分子医薬品の立体構造の取得が可能となり、創薬の加速にもつながると期待感を表明した。
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