限定出荷の2型糖尿病薬・ツイミーグ 正常出荷は今秋以降に 社内在庫の積み増しで 住友ファーマ
公開日時 2023/08/09 04:51
住友ファーマの2型糖尿病治療薬・ツイミーグ(一般名:イメグリミン)の正常出荷が今秋以降にずれこみそうだ。同剤は、想定を大幅に上回る処方により社内在庫がひっ迫し、4月下旬から限定出荷となっている。当初、今夏には正常出荷できるとの見通しだったが、同社広報部は本誌取材に、「現在の在庫状況から、もう少し先になることを想定している。正常出荷の再開時期の見通しは進展があり次第、情報開示する」と説明した。正常出荷は今秋以降となり、年内いっぱい時間がかかる可能性もありそうだ。
同社によると、増産体制をとり、社内在庫を積み増しているが、正常出荷後の処方ニーズに耐えられるほどの十分な在庫にはなっていないという。在庫の積み増しに時間を要している理由は、原薬や製剤を安定供給するための増産体制の確立だとしている。
同社は4月下旬に、「『ツイミーグ錠500mg』供給に関するお詫びとお願い」を発出した。この中で同剤について、「想定を大幅に上回る処方をいただいており、一時的に弊社在庫がひっ迫する状況となった」と報告。医薬品卸に対して限定出荷とするとともに、治療継続中の患者への安定供給を最優先とするため、新規患者への処方開始を見合わせるよう求めた。
同社の野村博社長は5月15日の2022年度決算会見で、同剤の限定出荷の現状を陳謝するとともに、「原薬の生産、製剤化、包装化の増産に向けて準備している」と対応状況を説明。また、「夏には正常出荷できると思う」との見通しを示していた。