アステラス製薬は８月８日、米国バイオ医薬品企業のPoseida Therapeutics, Inc.(本社：カリフォルニア州)とがん領域の細胞医療における戦略的投資を含む提携に関する契約を締結したと発表した。開発中の他家CAR-T細胞プログラムを含む総額5000万米ドルをPoseida社に投資するほか、同社の経営権の変更に関する一定の権利も取得する。

Poseida社は、独自の遺伝子編集プラットフォームを活用し、がんや希少遺伝子疾患を対象とした細胞医療および遺伝子治療の研究開発に取り組むバイオ医薬品企業。がん領域では、複数の固形がんを対象とした第I相試験を実施中のP-MUC1C-ALLO1をはじめ、固形がんおよび血液がんを対象とする他家CAR-T細胞プログラムの幅広い開発パイプラインを有している。

今回の提携契約に際し、アステラス製薬は、Poseida社の新規発行株式833万3333株(Poseida社の発行済株式総数の約8.8%に相当)を1株当たり3.00米ドルで取得するための2500万米ドル、および複数の固形がんを対象として開発中の他家CAR-T細胞プログラムであるP-MUC1C-ALLO1の独占的かつ優先的な交渉権を取得するための2500万米ドルの総額5,000万米ドルをPoseida社に投資する。このほか、同社の取締役会および科学諮問委員会にオブザーバーとして参加する権利と経営権の変更に関する一定の権利も取得する。

◎Adam Pearson経営戦略担当CStO「がん免疫療法で新たな治療法開発につながると確信」

アステラス製薬のAdam Pearson経営戦略担当CStOは、「今回の戦略的提携は、アステラス製薬のがん免疫の戦略に合致しており、がん免疫療法を必要とする患者に対する新しい治療法の開発につながると確信している」とコメント。Poseida社のMark GergenCEOは、「（今回の）提携は、私たちの新規遺伝子工学技術プラットフォームおよび細胞医療アプローチの可能性をさらに実証するもの。アステラス製薬と協力して、私たちが共有するビジョンを推進し、私たちの可能性をさらに高めるために必要な新たなコラボレーション機会を探ることを期待している」と強調した。