2023年７月に「ＭＲ活動」などのプロモーション系情報チャネルによって医師に想起された製品ランキングで、２型糖尿病治療薬・マンジャロが初めて首位に立った。同剤を想起した医師数は２万100人（拡大推計、100人未満切捨て）で、前回４月調査から約2300人増えた。チャネル別にみると、同剤を想起した
きっかけが「MR活動」と回答した医師は約半数にのぼった。ただ、前回調査から回答が増加した医師のうち、「講演会」と回答した医師は８割近くを占めている。同剤を想起する医師が増えた背景には、ＭＲ活動をきっかけとした講演会参加や、講演会参加後のＭＲのフォローアップが功を奏したと分析できそうだ。

◎マンジャロ　医師１万1400人は「ＭＲ活動」で想起

プロモーション系情報チャネルによる23年７月の製品想起の調査結果によると、マンジャロ（日本イーライリリー/田辺三菱製薬）を想起した医師は２万100人。「MR活動」をきっかけに同剤を想起した医師は１万1400人と半数超となった。「ＭＲ活動」をきっかけとした想起医師数は前回調査から約600人増え、想起ランキングは前回に引き続き１位だった。「eマーケティング」では3700人。前回調査から約200人減となるものの、「eマーケティング」での想起ランキングも１位をキープした。「講演会」は4800人。前回調査から約1800人増となり、順位は前回３位から今回２位にアップした。

全国６エリア別の想起医師数ランキングでは、全６エリアでプロモ系チャネル合計及び「ＭＲ活動」で１位となり、日本イーライリリーと田辺三菱製薬のＭＲが全国で存在感をみせた格好だ。「eマーケティング」は関東、中部、近畿、中国・四国、九州――の５エリアで１位。「講演会」は北海道・東北で１位、関東、中部、近畿、九州――の４エリアで２位だった。

マンジャロはGIP/GLP-1受容体作動薬に分類される２型糖尿病治療薬で、４月18日に発売した。14日間の投薬日数制限下にあるものの、発売当初から医師の関心は高く、前回４月調査におけるプロモ系チャネル合計のランキングで一気に２位となり、発売から３カ月となる今回、首位に立った。なお、同剤は急激な需要増加により、全６規格のうち７月に高用量４規格が、８月には開始用量を含む２規格がそれぞれ限定出荷となり、９月30日時点で限定出荷は解除されていない。

７月のプロモ系チャネルによる製品想起トップ10製品と推計想起医師数（100人未満切捨て）は以下の通り。

１位　マンジャロ　想起医師数２万100人
２位　エンレスト　想起医師数１万6200人
３位　フォシーガ　想起医師数１万1500人
４位　リベルサス　想起医師数１万人
５位　ケレンディア　想起医師数8300人
６位　ジャディアンス　想起医師数8100人
７位　ゾコーバ　想起医師数6900人
８位　デエビゴ　想起医師数6400人
９位　タリージェ　想起医師数6000人
10位　リンヴォック　想起医師数5900人

調査は、インテージヘルスケアが提供する医師約１万人を対象に情報チャネルごとの製品想起状況などをトラッキングする「SOC（＝Share of Channels）」によるもの。SOCは、主に「ＭＲ活動」、「講演会（Web含む）」、自社サイトやサードパーティによる情報発信を指す「eマーケティング」で構成するプロモーション系情報チャネルによる製品想起と、主に「医師の使用感評価」や「患者の声」などのプッシュ型ではないノンプロモーション系情報チャネルにわけ、製品想起状況が把握できる。同調査は１月、４月、７月、10月に実施している。

ミクスでは１月、４月、７月、10月のSOCデータを用いて、ミクスOnlineの会員向けに全国及びエリア別にチャネル別の製品想起ランキングトップ10を公開している（連載タイトル「おくすり想起ランキング」はこちら。14日間の無料トライアルはこちら）。