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沢井製薬など4社 PHR起点とした健康なまちづくりへ 福岡県・飯塚市で実証事業実施

公開日時 2023/10/04 04:50
沢井製薬やヘルステック企業など4社は10月3日、福岡県飯塚市と、PHRサービスを起点とした健康なまちづくり形成に向けた実証事業を実施するための協定を締結した。実証事業では、移動した距離や手段でポイントを付与するなどの仕組みを活用し、地域住民に運動を促す。あわせて、沢井製薬の提供するPHR管理アプリ「SaluDi」などを通じ、PHRに触れる機会を増やしてもらうことで、地域住民の健康意識を向上させ、地域住民の活動量増加と行動変容を図りたい考え。蓄積されたPHRデータは、特定保健指導への活用も視野に入れる。取り組みを通じ、健康寿命を延伸し、飯塚市の目指す““健幸都市”の実現に向けた一手となりたい考えだ。

実証事業では、事業に参加する地域住民がドラッグストアやショッピングモール、コンビニエンスストアなどを訪れた際に、移動した距離や手段によってポイントを付与する。これにより、住民の運動を促す。ポイントアプリ上では、PHRデータや疾患発症リスクを見ることができ、地域住民の健康意識向上も見込む。これにより、地域住民の活動量増加と行動変容を図りたい考え。飯塚市は、蓄積されたPHRデータを活用し、住民の特定保健指導などに活用する取り組みだ。実証事業は、2023年10月から24年9月まで。

◎4社で設立のコンソーシアムが提案 無関心層からハイリスク層までアプローチ

飯塚市と提携したのは、日立システムズ、インテグリティ・ヘルスケア、ANA X、沢井製薬の4社。日立システムズ、インテグリティ・ヘルスケア、ANA X、サワイグループホールディングスは今年7月に、「日本ウェルビーイングコンソーシアム」を設立した。コンソーシアムでは、日立システムズの有する医療情報を安全・安心に運用できるPHR基盤に、各社の提供するアプリケーションなどを組み合わせて健康増進ができる仕組みを構築。健康経営の支援と地域創生をテーマに、自治体や企業に提案を行っている。実証事業を行うのは、今回が初めてという。

飯塚市が4社と締結した協定書には、①航空会社ANAのグループ会社のANA Xの展開するモバイルアプリ「ANA Pocket」を活用した健康増進、②沢井製薬のPHR管理アプリ「SaluDi」によるPHRデータの活用、③日立システムズの提供する健康支援サービス(MIRAMED)を活用した特定保健指導-などが盛り込まれている。

「ANA Pocket」は、航空移動だけでなく、移動するとポイントやANAのマイルが貯まる。健康に無関心な層が運動するきっかけとなることが期待される。沢井製薬の展開する「SaluDi」では食事など普段の生活やバイタル、服薬状況などを管理することが可能。日立システムズの提供する「健康支援サービス(MIRAMED)」では、将来の生活習慣関連疾患のリスクを「見える化」し、動機付けを促す各種機能により対象者の行動変容と健康増進をサポートする。健康に無関心な層の健康増進から、特定保健指導が必要なハイリスク住民へのアプローチまで可能となる仕組みとなっている。

飯塚市は、目指す健幸都市の将来像として、「すべての人が健康で、いきいきと笑顔で暮らせるまち」を位置づけており、健康寿命の延伸を目標に施策を展開している。



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