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日本医師会 能登半島地震で「診療所が機能できていない」 JMAT派遣し「地域医療を補助」

公開日時 2024/01/11 04:51
日本医師会の細川秀一常任理事は1月10日の定例会見で、能登半島地震の被害を受けた石川県北部について「診療所がほとんど機能できていない」と明らかにした。日医では都道府県医師会の協力も得てJMATの派遣を続けており、「地域に根差した医療を続けていくことが重要だ。顔が見える関係を築いている地域の診療所をJMATが補助していきたい」と強調。JMATの派遣に加え、避難所での活動支援や派遣調整などロジスティック機能を担う専門チームを編成して被災地での活動を支える方針を示した。

◎医療機関の被害つかめず「相当な長期戦を覚悟」 延べ26チームが被災地入り

最大震度7を記録した能登半島地震により、被災地では各所で道路が寸断。医療機関の被害や医薬品の不足などの全容はわかっておらず、現地の情報では北部の医療機関の8,9割が機能していないとの話もあるという。細川氏は「今後被災地の医療保健ニーズは拡大していくことが見込まれ、相当な長期戦を覚悟しなければならない。被災地の方々の命や健康を守り、石川県医師会を支えていくため、全国の医師会を挙げてJMAT活動に取り組んでいく」と語った。

日医では3日から先遣JMATを派遣。以降延べ26チームが被災地入りし、10日現在で主に石川県七尾市、穴水町、志賀町を中心に19チーム69人が活動を続けている。今後も1日30チーム程度の常駐を目安に、各都道府県医師会への派遣要請を行っている。被災地では、モバイルファーマシー(災害対策医薬品供給車両)を活用し、感染症の臨床検査を行うチーム、エコノミー症候群の予防チームなどとも連携しながら活動を続けていくという。また、災害時に影響が及びやすい人工透析については、現時点では「困っているという声は届いていない」とした上で、長期的な視点から「高血圧や糖尿病などの慢性疾患の管理が重要だ」と訴えた。

◎断水続き衛生状態悪化 感染症の拡大懸念 

先遣JMATとして5~7日にかけて七尾市や穴水町を回った細川氏は「道路がひび割れ、渋滞もひどかった。能登半島の北部には入れず、携帯電話もつながらない状況だ」と被災地の状況を説明。断水によって手洗いや水洗トイレの使用ができない地域が多く、ノロウイルスやインフルエンザ、コロナなどの感染症拡大を懸念した。クラスター発生を防ぐために県医師会などとともに感染者を特定の場所に収容をする方策なども検討しているという。
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