厚労省 新型コロナ治療薬・ゾコーバを通常承認 文書による患者からの同意取得手続き不要に
公開日時 2024/03/07 04:48
厚生労働省は3月5日、塩野義製薬の経口新型コロナ治療薬・ゾコーバ錠を新医薬品として通常承認した。効能・効果は「SARS-CoV-2による感染症」。再審査期間は小児開発を考慮して10年(2024年3月5日~34年3月4日)。今回の通常承認により、これまでの緊急承認下での本剤処方時に必要だった、文書による患者からの同意取得の手続きが不要となる。
同剤はSARS-CoV-2の3CLプロテアーゼ阻害剤。22年11月に緊急承認された。塩野義製薬は、1年と設定された緊急承認期限内の23年6月に、通常承認の取得に向けて改めて承認申請していた。
塩野義製薬によると、ゾコーバの通常承認は日本、韓国、ベトナムで実施した第2/3相臨床試験(SCORPIO-SR試験)の結果に基づく。本試験は、オミクロン株流行期に重症化リスク因子の有無やワクチン接種の有無にかかわらず幅広い軽症/中等症のCOVID-19患者を対象に実施されたもので、その第3相パートにおいて、オミクロン株に特徴的なCOVID-19の5症状に対する本剤の改善効果(主要評価項目)および抗ウイルス効果(主要な副次評価項目)が確認された。
また、感染性を有するSARS-CoV-2ウイルス(ウイルス力価)の速やかな低下等の本剤の有効性に関するデータや、緊急承認の期間中に蓄積した推定90万人以上の患者での安全性に関するデータも新たに提出した。塩野義製薬は、「緊急承認後に提出した全てのデータを含めた資料に基づき審査された結果、ゾコーバの有効性、安全性が確認されたと判断され、通常承認に至った」としている。