中医協総会 市場拡大再算定の“共連れルール”からPD-1/PD-L1阻害薬、JAK阻害薬除外を了承
公開日時 2024/03/25 04:49
中医協総会は3月22日、市場拡大再算定の共連れルールから、PD-1/PD-L1阻害薬とJAK阻害薬を除外することを了承した。PD-1/PD-L1阻害薬6成分、JAK阻害薬8成分が対象となる。24年度の最初の四半期から適用する。
「薬価算定の基準について」で、「中央社会保険医療協議会であらかじめ特定した領域に該当する品目」について、市場拡大再算定や特例拡大再算定の共連れルールから除外するとされていた。厚労省は、「中央社会保険医療協議会であらかじめ特定した領域に該当する品目」は、薬価算定組織が定める「類似薬選定のための薬剤分類」において、その薬理作用が「PD-1/PD-1リガンド結合阻害作用」、「ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害作用」に該当する品目とした。
現段階で該当する品目は、PD-1/PD-L1阻害薬のオプジーボ点滴静注(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))、キイトルーダ点滴静注(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))、バベンチオ点滴静注(アベルマブ(遺伝子組換え)、テセントリク点滴静注(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))、イミフィンジ点滴静注(デュルバルマブ(遺伝子組換え))、リブタヨ点滴静注(セミプリマブ〈遺伝子組換え〉)。
JAK阻害薬としては、ゼルヤンツ錠(トファシチニブクエン酸塩)、ジセレカ錠(フィルゴチニブマレイン酸塩)、リンヴォック錠(ウパダシチニブ水和物)コレクチム(デルゴシチニブ)、ジャカビ錠(ルキソリチニブリン酸塩)、オルミエント錠(バリシチニブ)、サイバインコ錠(アブロシチニブ)、スマイラフ錠(ペフィシチニブ臭化水素酸塩)。
このほか、これ以外の領域の追加については、「次期薬価制度改革の検討に合わせ、関係業界からの意見や本規定の適用実績等を踏まえ、必要に応じて検討すること」も了承された。
◎支払側・松本委員 予見性高まる「効能追加含めた積極的な研究開発を」
総会に先立つ中医協薬価専門部会では、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「製薬業界においては、市場拡大再算定の予見性が高まるので、効能追加を含め、患者の医薬品のアクセスが高まりますよう、研究開発に取り組んでいただきますようお願いする」と述べた。