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エーザイ・内藤CEO レカネマブの日本浸透「想定したよりも迅速」 専門MRと地域MRの連携が成果

公開日時 2024/05/16 05:00
エーザイの内藤晴夫代表執行役CEOは5月15日の決算会見で、アルツハイマー病治療薬・レケンビ(一般名:レカネマブ)の日本での浸透について、「診断・治療パスウェイ構築は早い。我々が想定したよりも迅速に当事者の診断・治療が進んでいる」と自信をみせた。特に、パスウェイ構築に向けたMR活動の貢献を強調。「認知症専門MRと地域連携MRが連携し、診断、紹介、初期治療そしてフォローアップという流れをエリアで組み上げていく作業を展開し、成果を上げている」と述べた。また、MRの情報提供活動にはオムニチャネルマーケティングの活用を推し進める考えも示した。

◎売上急拡大の背景に診断・治療パスウェイ 日本では4か月間で600施設で構築

レケンビの23年度のグローバル売上高は42億6000万円。23年度4Qは前四半期の3Qの2.7倍に急増した。「この傾向は、今期にいたって、ますます急角度でセールスはアップしている」と強調する。24年度のレケンビの売上高は565億円と10倍以上の計画。米国で435億円、日本で100億円、中国などで30億円の売上を見通す。日本では、今年4月に累計で約6億円を計上。「この上昇カーブは5月に立ってよりシャープに拡大をしている。目標を上回る順調なスタートを遂げている」と自信を見せる。

背景にあるのが、診断・治療パスウェイが構築されてきていることにある。レケンビの投与対象を適切に診断し、早期に治療に結び付け、投与後にも重大な副作用として知られるアミロイド関連画像異常(ARIA)のマネジメントまでのフローを確立することが浸透のカギを握っているためだ。

日本では、上市から4か月間で、600施で診断・治療パスウェイの構築が完了。全国47都道府県全てで投与が開始された。内藤CEOは、「国内で総力をあげた取り組みを展開している」と強調する。特にKOLなどを担当する認知症専門MRと、かかりつけ医を担当する地域連携MRが連携し、エリアで診断・治療パスウェイを構築していることが貢献していると強調する。

レケンビの初期導入施設は、最適使用推進ガイドラインの要件を満たす施設であることから、同社は医療機関を①トップKOLのいる初期導入施設、②初期導入施設、③専門的に認知症診療を行う病院、かかりつけ医(フォローアップ/紹介施設)、④認知症診療を行うかかりつけ医(紹介施設)-の4つのレイヤーに分類。初期導入施設には、バイオジェンの専門MRを含めた認知症専門MRがアプローチを行っていると説明した。

一方で、「かかりつけ医も初期導入施設に紹介するという非常に重要な役割を負われており、その数は非常に多い」と指摘。また、初期導入施設は6か月で、その後のフォローアップを行う施設で治療継続が可能であることから、こうした施設への情報提供の重要性も強調した。こうした施設には、同社の地域連携MR約650人がアプローチを行っているという。認知症専門MRと地域連携MRの連携し、エリアに合致した形で患者紹介やフォローアップの流れを構築することが成果につながっていると強調した。

◎MRの情報提供はオムニチャネルを活用 「シェア・オブ・ボイスにディペンドしない」

MRの情報提供については、オムニチャネルマーケティングの重要性を強調した。デジタルプロモーショや、個々の医療従事者へのプロモーション活動、学会でのプロモーション活動など収集したデータを基にデータレイクを構築。AIによる包括的な分析を行うことで、最適なチャネルによるベストアクションを推奨するというもの。内藤CEOは、「営業活動を効率化する従来のシェア・オブ・ボイスにディペンドしない効率的なマーケティングが可能になるということで、一層拍車をかけていきたい」との考えを示した。米国では、抗がん剤・レンビマで成功を収めており、レケンビでも23年度に集積した情報をデータレイクに集約・分析し、24年度にはオムニチャネルマーケティングを本格始動させる考え。日本についても、「オムニチャネルマーケティングの展開が大きく貢献する」と述べ、活用を進める考えも示した。

◎米国は「処方拡大期に入る」 中国では7月に発売へ

米国ではパスウェイ構築に時間がかかったものの一定の目途がついたと説明。「処方拡大期に入る」として新たな局面に入ったと強調。実際、売上高も前四半期比2.3倍へと急拡大していると説明した。また、7月に発売を予定する中国では、産業連携やデジタル活用をカギとした日米とは異なるパスウェイを構築する考えを示した。

◎皮下注射製剤「長期投与実現する上で主力の製剤になるのでは」

同日、皮下注射製剤維持投与について、米FDAにファストトラック指定の下で、生物製剤承認申請の段階的申請を開始したことも公表した。投与時間が短いため、患者の通院などへの負担軽減に加え、投与に携わる看護師の負担も軽減するなどメリットがあると強調。「長期投与を実現する上でも非常に重要な主力の製剤になっていくのではないか」と期待を寄せた。初期・維持ともに静脈内注射を皮下注射製剤に置き換える考えで、26年度にも承認取得にこぎつけたい考えも示した。

◎パイオニアとして「大作業の連続」 我々の後に道はできる

内藤CEOは、「世界のアルツハイマー病治療のパイオニアとして、道を切り開いてきた。これからもこの役割を果たし続ける」と強調。「これは決して、白いキャンパスの上に美しい絵を描くというようなそういう世界ではない。大きな岩を取り除き、大きな川に橋を架け、そして山を抜くようなトンネルを掘っていく、そういう大作業の連続だ」との見方を表明。「高村光太郎の“道程”という詩をしみじみと読み返しておりますけれども、我々の前に道はない。我々の後に道はできる、そういう想いだ」と決意を語った。

◎23年度決算は減収増益 レンビマ、デエビゴ、レケンビが貢献

エーザイの2024年3月期(23年度)決算は、売上高が前期比0.4%減の7417億5100万円、営業利益は33.4%増の534億800万円だった。純利益は23.5%減の424億600万円。前期に一時的な要因により税金費用の減少が生じたため。内藤CEOは、「財務の健全性に揺るぎはない」と強調した。“3L(レンビマ、デエビゴ(一般名のレンボレキサントの頭文字L)、レケンビ)”の成長が寄与。レンビマは前期比119%増の2976億円、デエビゴは142%増の418億円、レケンビは42億円増となった。


【23年度の連結業績 (前年同期比)  24年度予想(前年同期比)】
売上高 7417億5100万円(0.4%減) 7540億円(1.7%増)
営業利益 534億800万円(33.4%増) 535億円(0.2%増)
親会社帰属の純利益 424億600万円(23.5%減)430億円(1.4%増)

【23年度のグローバル主力製品全世界売上高 (前年同期実績) 24年度予想、億円】
レンビマ  2976(2496)2965
レケンビ 43(0)565
デエビゴ 418(294)520
ハラヴェン 375(413) ―
フィコンパ 259(371) 270

【23年度の国内主要製品売上高 (前年同期実績) 24年度予想、億円】
デエビゴ 355 (242) 440
レンビマ  155(137)150
ヒュミラ 134(472)-(23年6月にアッヴィとの日本での開発・販売契約満了)
ジセレカ 126(73)-
メチコバール 95(103)85
ハラヴェン 79(85)70
エレンタール 71(70)65 ※
グーフィス 70(65)75 ※
フィコンパ 69(61)80
モビコール 66(58)70 ※
パリエット 40(55)- ※
アリセプト 31(42)-
レケンビ 4(-)100

※EAファーマ取り扱い製品
※パリエットには、「ラベキュアパック400/80」および「ラベファインパック」の売上収益含む

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