エーザイ 早期AD治療薬・レケンビの皮下注製剤 26年9月までの承認取得、12月までの発売目指す
公開日時 2025/12/02 04:50
エーザイは早期アルツハイマー病治療薬・レケンビの皮下注製剤について、2026年9月末までに承認を取得し、同年12月末までの発売を目指す方針だ。エーザイとバイオジェンは11月28日に、レケンビの皮下注製剤(皮下注オートインジェクター:SC-AI)を日本で承認申請したことを発表。エーザイPR部は12月1日、本誌に、「(SC-AIは)26年度第2四半期中に承認を取得し、第3四半期中の発売を計画している」と説明した。
SC-AIは新キット製品の扱いとなるため、26年9月までに承認を取得した場合、薬価収載は11月となる見込み。そして12月末までの発売を計画しているようだ。
◎SC-AI承認で週1回在宅投与が可能に 250mg1本あたり平均15秒で投与完了
今回の申請は、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症の患者を対象とした臨床第3相Clarity AD試験の18カ月間のコア試験に続く、非盲検長期継続投与試験(OLE)における複数の皮下投与サブスタディなどに基づく。
このサブスタディにおいて、週1回のSC-AI 500mg投与は、既承認の2週に1回の静脈(IV)投与と暴露量が同等であることが確認され、臨床上およびバイオマーカー上の効果も同様であることが示された。皮下投与は、IV投与と同様の安全性プロファイルを示し、全身性の注入/注射に伴う反応の発現率は2%未満だった。
両社によると、SC-AIが承認されれば、レケンビの治療において、現行の医療機関での2週に1回のIV投与に加え、新たな選択肢として在宅でのSC-AI 500mg(250mg×2本)による週1回投与が可能となる。SC-AIによる投与は、250mg1本あたり平均15秒で完了するという。両社は、「SC-AIによって、IV投与で必要な医療プロセス(点滴静注のための準備、投与に関わる看護師によるモニタリング等)が削減でき、AD治療パスウェイ全体を効率化する効果が期待される」としている。