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三菱総合研究所 生成AIの利用意向「医療・福祉業」5倍増の41.4% 付加価値効果は産業全体で21兆円

公開日時 2024/08/30 04:51
三菱総合研究所は8月28日、「信頼ある生成AIの利活用に向けて~生成AIの信頼性確保で21兆円の付加価値を創出」と題する提言を公表した。生成AIの活用について独自の付加価値試算モデルを構築したところ、利用環境の整備に加えて信頼性の確保を進めることで医療・福祉業を含む5つの産業で21.3兆円の付加価値が得られると分析。さらに、信頼性の構成要素である「正確性」を担保することで、約6兆円の増分効果が期待できるとの見解を示した。

◎生成AIの業務における活用状況を5産業で比較 「医療・福祉業」は8.1%と低調

生成AIの業務における活用状況について、製造業、情報通信業、卸売・小売業、医療・福祉業、教育・学習支援業の「5産業」に勤める社会人約1万人を対象にアンケート調査を行った。その結果、生成AIを活用している社会人は14.6%にとどまった。産業別で比較すると、情報通信業の活用率22.8%に対し、医療・福祉業は8.1%と低調となっていた。

一方で、将来的な生成AIの活用意向は、 5産業全体で52.2%。産業別で比較すると、情報通信業が64.5%と最も高い。医療・福祉業も41.4%と、現状の活用率と比較して約5倍の活用意向があることが分かった。

◎生成AIの活用が進まない要因 「信頼性要素に対して懸念がある」が6割

将来的な生成AI活用の意向が存在するにもかかわらず、生成AIの活用が進まない要因について調べた。アンケート調査では、回答者の60%以上が業務での生成AIの活用に当たり、「いずれかの信頼性要素に対して懸念がある」と回答。特に懸念度合いが高いのは「正確性」で、回答者の36.7%を占めた。また、「将来的に生成AIを活用したくない/活用できない」と回答した人のうち、50%以上が「信頼性要素への懸念」を理由にあげ、信頼性に対する懸念が、生成AIの活用を妨げている一つの要因と分析した。

このほかアンケート調査では、生成AIの「利用環境」に対する懸念も確認された。回答者の28.0%が、業務での生成AIの活用に当たって「社内のルールやガイドラインの整備が不十分である」と強調、22.5%が「法整備が不十分」であることを懸念事項として挙げた。

◎「信頼性」が適切に確保されることで、産業全体の付加価値は倍増 21.3兆円まで達する

これら調査結果を踏まえ、生成AIの信頼性確保による付加価値の創出効果を試算した。5 産業の生成AI活用による現状の付加価値は2.4 兆円で、5 産業の全体付加価値額における1.1%の経済インパクトを有するとした。また、将来的に生成AIに関する「利用環境」が整備されることを前提とした場合、5 産業における生成AI活用による付加価値は 11.7 兆円まで増大すると予想。さらに、生成AIの「信頼性」が適切に確保されることで、付加価値は倍増し、21.3兆円まで達する見込みとした。

この数値は、5 産業の全体付加価値における10.1%に該当し、生成AIに関する利用環境に加えて、生成AIの信頼性が確保されることで、現状の約8.8倍の付加価値が創出されると分析。このうち信頼性を構成する要素のうち、「正確性」を確保することで創出される付加価値は特に大きく、正確性以外の信頼性のみが確保された場合と比較して、1.4 倍の付加価値創出につながるとの試算を明らかにした。
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