木村情報技術は10月27日、製薬企業向けＡＩサービス「MIRAI Review(ミライレビュー)」のサービス提供を開始したと発表した。医療関係者や患者向け配布資材の一次レビューに生成ＡＩを活用し、業界ルールに適しているかどうか審査する。膨大な資材の審査業務にかかる負担を軽減し、審査の効率化と品質担保の両立に貢献したい考え。同社は年内にも審査対象となる資材の範囲を拡大する方針で、出典元文献との同一性チェック機能や外部サービスとの連携機能など、企業側のニーズに沿ったサービスを段階的に追加していく方針だ。

◎年内に、製品情報概要や説明会スライドにサービス範囲拡大へ

ミライレビューについて同社は、生成ＡＩの活用で審査作業を効率化し、審査完了まで時間を大幅に短縮するほか、判断のばらつきを抑えることで、審査結果の標準化を実現できると強調している。今回は、講演会演者スライドの一次レビューを目的とするが、年内には製品情報概要や説明会スライドにも範囲を拡大する方針。また、2026年3月以降は、元文献との整合性に関するメディカルチェックや、Webコンテンツ、動画、患者向け資材・疾患説明資材、さらに、Q＆Aや広告・記録集等資材までサービス提供範囲を広げることにしている。

◎リアル講演会の数はコロナ禍以前の水準まで回復　講演会全体の数は増加傾向

同社は、リアル講演会の数はコロナ禍以前の水準まで回復し、講演会全体の数は増加傾向にあると指摘。「チェック対象となる講演会スライドの数も増え、審査基準も厳しくなったことで、製薬企業の担当者には大きな負担が生じている」と強調。また、また、プロモーション資材の審査厳格化や期間の長期化が進み、資材の利用開始までに時間を要するケースが増えていると指摘し、「その結果、適切なタイミングで資材を活用できず、機会損失に繋がることも少なくないとの声が企業から寄せられている」として、ミライレビューの開発に至った経緯を説明した。