ヤンセンファーマ FcRn阻害薬・ニポカリマブを承認申請 全身型重症筋無力症を対象疾患に
公開日時 2025/02/04 04:47
ヤンセンファーマはこのほど、FcRn阻害薬・ニポカリマブについて、全身型重症筋無力症を対象疾患に承認申請したと発表した。日本で青年期の全身型重症筋無力症患者に対し、根本的な原因に対処する可能性のあるFcRn阻害薬は承認されていない。
申請は、全身型重症筋無力症の成人患者を対象に行われた国際共同第3相VIVACITY-MG3試験の結果に基づく。試験では、主要評価項目である24週間にわたるベースラインからの日常生活動作(MG-ADL)スコアの改善において、プラセボと標準治療の併用群に対するニポカリマブと標準治療の併用群の優越性が検証された。同社によると、ニポカリマブ+標準治療群はプラセボ+標準治療群と比較して6カ月間にわたる隔週投与においてMG-ADLスコアの改善が確認されたとし、「ニポカリマブは持続的な症状コントロールを示した初めてのFcRn阻害剤となる」としている。
ニポカリマブは抗胎児性Fc受容体(FcRn)を阻害するモノクローナル抗体で、循環免疫グロブリンG(IgG)抗体の濃度を下げつつ、広範囲な免疫抑制を引き起こさずに免疫機能も維持するよう設計されている。
重症筋無力症(MG)は自己抗体により引き起こされる自己免疫疾患。MGの85%以上が全身型(gMG)で、gMGの主な症状に変動を伴う骨格筋の筋力低下、四肢脱力、眼瞼下垂、複視、咀嚼困難、嚥下困難、発話困難、呼吸困難などがある。国内のgMG患者は推計約2万3000人。gMGは既存治療で対処できる場合もあるが、十分な効果が得られない、もしくは現治療に対して忍容性がない患者のために、新たな治療選択肢が求められている。