田辺三菱製薬 24年度売上高、コア営業利益はラジカヴァ好調で増加も純利益は58.8%減
公開日時 2025/05/14 04:50
三菱ケミカルグループは5月13日、医薬品事業(田辺三菱製薬)の2025年3月期(24年度)決算について売上高が前年同期比5.3%増の4604億円だったと発表した。コア営業利益は16.0%増の652億円。薬価改定の影響や選定療養制度も含む後発品の浸食拡大等の影響を受けたものの、ALS治療薬・ラジカヴァが26.5%増の1003億円を売り上げるなど好調だった。25年度の売上など数値について明確な見通しは示さなかったが、田辺三菱製薬の辻村明広代表取締役社長は同日の会見で25年度も「ほとんど変わらないトレンド」との見通しを示した。
同社の決算は売上高、コア営業利益とも増加した一方、営業利益は25.1%減の516億円、純利益は58.8%減の232億円となった。24年7月に公表された希望退職制度の特別退職金などに169億円計上したことなどが響いた。
辻村社長は、「引き続き、国内は薬価改定の影響はあるが、糖尿病治療薬・マンジャロが順調に伸長しており、オフセットする形で伸ばしている」と説明。米国ではトランプ大統領が薬価引下げの大統領令に署名するなど環境変化もあるが、「まだよくわからないが、現時点では引き続きラジカヴァも順調に新規患者を獲得し、前期と同じ水準だと考えている」と話した。
なお、三菱ケミカルグループは田辺三菱製薬の譲渡を決定しており、26年3月期(25年度)の業績予想においては、譲渡が完了する前提で、ファーマ事業を期初から非継続事業として扱っている。
【24年度業績 (前年同期比)】
売上高 4604億円(5.3%増)
コア営業利益 652億円(16.0%増)
営業利益 516億円(25.1%減)
親会社所有者帰属当期利益 232億円(58.8%減)
【24年度国内主要製品売上高(前期実績)億円】
ステラーラ 567(653)
シンポニー 414(433)
テネリア 124(120)
カナグル 117(118)
カナリア 78(108)
バフセオ 22(22)
ユプリズナ 104(61)
ルパフィン 93(93)
ジスバル 53(54)
ラジカット 63(55)
ワクチン計 476(343)
インフルエンザ 137(106)
ゴービック 158(12)
テトラビック 31(88)
ジェービックV 34(33)
ミールビック 61(50)
水痘ワクチン 40(41)
長期収載品等 995(948)
レミケード 233(297)
海外医療用医薬品 1286(1117)
ラジカヴァ 1003(792)
ロイヤリティ収入等 129(169)
インヴォカナ 71(66)
ジレニア 38(54)