サノフィ 国内初の腸チフスワクチン・タイフィム ブイアイ注シリンジを発売
公開日時 2025/07/01 04:49
サノフィは6月30日、腸チフス予防を目的としたワクチン・タイフィム ブイアイ注シリンジ(一般名:精製Vi多糖体腸チフスワクチン)を発売した。2024年6月に製造販売承認を取得しており、日本で初めて正式に承認された腸チフスワクチン。用法・用量は、「1回、0.5mLを注射する。通常、筋肉内に接種するが、皮下にも接種することができる」。
腸チフスは、チフス菌によって引き起こされる急性熱性疾患で、通常は細菌に汚染された飲食物を介して感染する。発症すると、発熱、頭痛、倦怠感、下痢などの症状が現れ、肝脾腫がみられることもある。重大な合併症として腸管出血や腸管穿孔があり、生命を脅かすこともある。年間2690万人が罹患していると推定されており、先進国を除くほとんどの国や地域において中等度の感染リスクがあり、これらの地域への渡航者にとっては、ワクチン接種が重要な予防手段となる。WHO、CDC、英国健康保護庁およびその他の保健当局では、南アジアおよびその他の流行地域への渡航者に対し、腸チフスワクチンの接種を推奨している。
日本国内では年間20~30例の腸チフス症例が報告されており、そのうち約70~90%が輸入事例との報告もある。