Ubie調査 4人中3人の患者が「医療迷子」 体調不良時に適切な医療行動とれず 情報の信頼性も課題
公開日時 2025/08/22 04:49

受診や情報収集など、医療に関する判断で「困った経験がある」と答えた割合は72%――。Ubieが実施した医療アクセスへの実態調査から、体調不良時に適切な医療行動をとれずに迷う「医療迷子」が、およそ4人に3人にのぼることが明らかになった。また、医療情報をインターネットから得る人が多い一方で、その信頼性を見極める難しさも浮き彫りとなった。同社は今回の結果を今後のサービス展開に活かしていく方針だ。
調査は2025年7月16日、インターネット上で全国の20〜70代の男女各100人ずつ、計1200人を対象に実施された。
その結果、体調不良時など健康への悩みを抱えたときに「症状認知」、「情報収集」、「受診」、「診断」、「治療」といった医療の各段階で困った経験のあると答えた人は、全体の72%にのぼった。これは、20代から70代までの全世代に共通してみられ、同社は「特定の年齢層や性別の問題ではなく、国民的な社会課題であることが示唆される」と指摘している。
◎医療情報の取得先「インターネット検索」が全体の55.2%で最多
医療情報の取得先としては「インターネット検索」が全体の55.2%で最多で、「かかりつけ医」(26.7%)、「テレビ」(22.8%)が続いた。インターネット検索を利用する人は、「医療情報が多すぎて選べない」(74.6%)、「症状を検索すると怖い情報ばかり出てくる」(69.3%)、「信頼できる医療情報かどうかわからない」(67.9%)などと回答しており、同社は、「情報アクセスの向上により選択肢は増えたが、適切な情報の選別や信頼性の判断は難しいという状況を示している」と分析している。
同社は、体調不良時に適切な医療行動をとれずにいる状態を「医療迷子」と定義し、改善を目指す。同社の阿部吉倫共同代表取締役(医師)は、「生活者の適切な医療行動を支えるサポートがまだ社会に十分に行き渡っていない。今回の結果を踏まえ、テクノロジーの力を活用し、医療分野に特化した信頼できるサポートの仕組みを構築することが急務であると改めて確信している」とコメントした。