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トランプ関税で大統領令署名 医薬品含む5500億ドルの対米投資 分野別追加関税は他国に劣後しない形で

公開日時 2025/09/08 04:51
米トランプ大統領は9月4日、米国の関税措置に関する日米合意を履行する大統領令に署名した。米国は自動車・同部品を含む大半の日本からの輸入品に最大15%の関税を課す。また、日本が5500億ドル(約81兆7000億円)規模の米国向け投資基金を創設することも盛り込まれた。赤沢経済再生担当相とラトニック米商務長官が、この合意を確定する覚書に署名したもので、半導体、ジェネリック医薬品(原料、化学前駆体を含む)、金属、重要鉱物、造船、エネルギー、AI、量子コンピューティングなど、経済・国家安全保障上の利益を促進する分野が含まれている。

今回の大統領令は、7月22日の日米関税協議の合意事項に基づく。米商務長官が、国内で入手不可能(または国内需要を満たすのに十分な規模で入手不可能)な天然資源、ジェネリック医薬品(原料、化学前駆体を含む)に関して、「日本産品に対する相互関税率をゼロに修正する権限を有する」とも記載した。いつ、どの品目に対して相互関税率を修正するかは、「米国の国益や命令の目的である国家非常事態に対処する必要性などに鑑みて決定する」とし、日米合意に基づく約束を実施するために日本政府が講じた措置などを考慮するとした。

米商務長官は、日米合意の履行状況を監視し、大統領に報告するとともに、大統領は、日本が日米合意に基づく約束を履行しない場合、同大統領令で定めた内容を変更できるとも大統領令に記載している。

◎医薬品は米通商拡大法232条に基づき対応

一方、日米合意した5500億ドルの対米投資は、液化天然ガス(LNG)や送電網を含むエネルギーインフラ、半導体製造・研究開発、重要鉱物の採掘・加工・精製、医薬品・医療機器、造船を列挙した。これらの投資から生まれる利益の90%を米国が保持する。

このうち医薬品は、米通商拡大法232条に基づき、医薬品の輸入が米国の国家安全保障に及ぼす影響を判断するための調査(米国商務省産業安全保障局・BIS  4月16日公示)を行っている。今回の大統領令では、仮に分野別関税が課される場合も日本を他国に劣後する形で扱わないことで合意した。

なお、米商務省は232条に基づき、ジェネリック医薬品および非ジェネリック医薬品の完成品、医療対策製品、有効医薬成分や主要出発物質などの重要な投入物、およびそれらの派生製品を含む医薬品、医薬成分およびその派生品の輸入が国家安全保障に及ぼす影響について調査している。

◎石破首相 医薬品は、「仮に将来、分野別関税が課される際もEUなどに劣後しない」と強調

石破首相は9月5日、米国関税の引下げ措置に関する大統領令の署名等について、「自動車・自動車部品の関税については、25%から、既存の関税も含め15%に引き下げられた。半導体・医薬品については、仮に将来、分野別関税が課される際も、我が国がEUなどに劣後しないことや、航空機・航空機部品に対していかなる関税も課されないことになった」と説明した。
 
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