持田製薬 2025年度上半期決算は営業利益31%増 選定療養影響も新薬、バイオシミラー好調
公開日時 2025/11/05 04:50
持田製薬は11月4日、2025年度第2四半期決算を発表し、売上高が前年同期比7.6%増の549億8500万円、営業利益が31.0%増の49億6700万円だったと発表した。24年10月に導入された長期収載品の選定療養の影響を受けたものの、潰瘍性大腸炎治療剤・リアルダ、慢性便秘症治療剤・グーフィス、モビコールなどの新薬が伸長した。さらに、バイオシミラーを含む後発品事業の売上高が前年同期を上回り、業績を押し上げた。
同社の三石基・代表取締役専務取締役は、「医薬品については長期収載品の選定療養や薬価改定などの影響を受けたが、新薬が伸びた」と報告。主要製品の売上高は、対前年同期比で「総じてプラス」だったと説明した。潰瘍性大腸炎治療薬・リアルダの売上は7%増の80億円で、年間見込みを期初の151億円から160億円に上方修正。慢性便秘症治療薬・グーフィスは8%増の44億円、慢性便秘症治療薬・モビコールは11%増の35億円を売り上げた。
一方、高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤・エパデールは、長期収載品として選定療養制度の影響を受け、22%減の22億円だった。ただ、年間売上高見込みは36億円から、43億円に上方修正。三石氏は、「当初見込みほどは下がらない」と見通した。バイオシミラーを含む後発品事業は、7%増の162億円と好調。子宮内膜症等治療薬・ジエノゲストは16%増の57億円だった。
◎アンドファーマ株式20%取得 バイオシミラー強化へ
同社は10月、アンドファーマの株式を20%取得した。三石氏は、「今回の中期経営計画で掲げた“後発薬バイオシミラーによる医療経済的価値を届ける”ことを実現する形」と説明。「日本で組める先を考えたとき、バイオシミラーを成長の一つのツールとして捉え、特に高いレベルの注射剤の製造能力があるところとしてアンドファーマ社、とりわけ日医工が候補となった」と経緯を述べた。
現在、アンドファーマ社への取締役1人に加え、傘下にある日医工へ1人社外取締役を派遣した。さらに、「先発メーカーとしてクオリティーカルチャーを伝えるため、品質面の専門家を派遣する準備中だ」と述べた。「バイオシミラーに関する協業はこれからだが、私どもが開発研究するパイプラインも創出し、アンドファーマ社で製造をしていくという役割分担の中で、今後議論を深めていきたい」と展望を述べた。
【連結業績(前年同期比) 25年度予想(前年同期比)】
売上高 549億8500万円(7.6%増) 1105億円(5.1%増)
営業利益 49億6700万円(31.0%増) 70億円(13.9%減)
親会社帰属純利益 38億5600万円(36.5%増) 54億円(5.0%減)
【国内主要製品売上高(前年同期実績) 25年度予想、億円】
リアルダ 80(74)160
グーフィス 44(41)90
モビコール 35(32)66
トレプロスト 28(19)59
ユリス 27(21)56
エパデール 22(29)43
コレチメント 3(2)8
ヘパリンNa 6(6)13
後発品 162(151) 348
うち、ジエノゲスト 57(49)119