ギリアド、米カイト社 CAR―T細胞製品を効率的・安定的に届ける自社拠点「羽田デポ」 都内に開設
公開日時 2025/10/07 04:50
ギリアド・サイエンシズと米カイト・ファーマは10月6日、CAR―T細胞製品を効率的かつ安定的に患者に届けるための自社拠点「羽田デポ」を東京都内に開設したと発表した。羽田デポでは、CAR-T細胞製品の物流と保管などを行う。CAR―T細胞の確変はこれまで通り米国の製造所で実施するが、羽田デポの開設により、患者に届くまでの時間短縮が図れるなど、「CAR―T細胞製品をより効率的、安定的に認定治療施設に出荷することが可能になる」と強調した。
同社は、2023年6月に国内におけるCAR-T細胞療法・イエスカルタの製造販売承認を第一三共から承継した。その後、認定治療施設は6施設から25年10月までに70施設へと大幅に増加。今後のCAR―T細胞療法の増加を見越し、国内での自社拠点の設置が求められていた。
ギリアド日本法人のケネット・ブライスティング代表取締役社長は、「CAR T細胞療法は我々が目指すがん治療の発展に向けた重要な戦略的な柱だ。治療開始のタイミングが大きな影響を与え得る血液がんの患者さんに最適な形で治療を届けるのが当社の務め。今回開設した新たな拠点は、治癒の可能性を秘めたこの治療法の複雑な工程の効率化、安定化に貢献するだろう」と強調した。一方、米カイト社のシニア・バイス・プレジデント兼グローバルヘッドのローラ・アルキスト氏は、「日本における新たな拠点開設は、CAR―T細胞療法を緊急性をもって選択する全国各地の患者さんにタイムリーかつサステナブルな形で届けることに我々がコミットしている証だ」とコメントした。