あすか製薬HD・山口社長 26年度スタートの新中期経営計画で売上高1000億円超の早期達成を目指す
公開日時 2025/11/12 04:49
あすか製薬ホールディングスの山口惣大代表取締役社長は11月11日、2035年度の売上高目標1500億円、営業利益率15%の達成に向けた「新中期経営計画・ASKA VISION2035」の策定作業を進めていることを明らかにした。同日開催した2026年3月期第2四半期決算説明会で公開した。新中計は26年度~35年度までの事業期間を3年単位で定める。山口社長は、山口惣大「ありたい姿」(暫定値)として2028年度の売上高800~900億円、営業利益率10%。2031年度の売上高1000~1200億円、営業利益率12%を目指すマイルストーンも提示した。
◎「中期経営計画2025」の進捗 売上高、営業利益率、ROEとも「達成の見込み」
山口社長は「中期経営計画2025」の進捗について、売上高700億円(見込み710億円)、営業利益率8%(同8.5%)、ROE8%(同8.0%)は「達成の見込み」と強調した。主力の産婦人科領域で売上高第1位を継続したほか、研究開発体制の強化や、Hataphar社(ベトナム)、MedChoice社(フィリピン)との協業など海外事業を中心に成果を獲得できたことが主な要因。
◎「中期経営計画2028」(FY2026-2028) 売上高800~900億円、営業利益率10%目標
一方で山口社長は、2026年度から始まる新中期経営計画における方向性を説明。中長期的な戦略や目標値は現時点での暫定的に設定したものとしながら、「ありたい姿2035」として最終的に売上高1500億円、営業利益率15%を目指す考えを強調した。また、2026年度にスタートする「中期経営計画2028」(FY2026-2028)は、「長期的な目標を達成するために重要な位置付け」と説明。ウィメンズヘルスをリードする企業としての更なる成長や、海外事業の基盤構築などに注力する方針を示し、「着実な中期経営計画の遂行によって、2028年度目標値(売上高800~900億円、営業利益率10%、ROE10%、総還元性向40%)の達成に意欲を示した。さらに次の「中期経営計画2031」(FY2029-2031)に掲げる売上高1000億円の早期達成に注力する考えも提示した。新中期経営計画は2026年5月に正式発表する。
◎26年3月期第2四半期決算 増収減益 研究開発の進展に伴う費用増加で
同社の2026年3月期第2四半期決算は、売上高352億円(前同比8.9%増)、営業利益は26億円(同20.8%減)の増収減益となった。国内事業が堅調に推移したことに加え、海外事業の寄与により過去最高の売上高を更新したが、一方で、売上総利益の増加を上回る販管費の増加により減益となった。特にコスト面では、国内医療用医薬品事業における研究開発の進展に伴う費用が増加するなど販管費率が前同比1.9ポイント増加したことが影響した。
【連結業績 (前年同期比)通期予想(前期比)】
売上高 352億5300万円(8.9%増)710億円(10.7%増)
営業利益 26億4900万円(20.9%減)60億円(12.5%増)
親会社所有者帰属中間純利益 22億2600万円(13.0%減)50億円(2.0%減)
【主力製品売上高 (前年同期実績)通期予想、億円】
チラーヂン 43(41)86
カンデサルタン類※※ 40(43)78
リフキシ 39(32)75
メルカゾール 8(8)16
アムロジピン※ 4(4)8
レルミナ 57(54)109
ドロエチ※ 41(36)83
フリウェル※※ 15(16)29
ルテウム 11(11)22
アンジュ 3(4)7
マグセント 33(38)61
スリンダ 12(-)―
リュープロレリン※ 19(20)38
※=後発品 ※※=AG