あすか製薬HD 投資ファンド・ダルトンへの対応方針「存続」と発表 懸念が依然として解消していない
公開日時 2025/10/14 04:51
あすか製薬ホールディングス(HD)は10月10日、投資ファンドのダルトン・インベストメンツ・インクらの大規模株式買付行為に関する対応方針について、「存続」すると発表した。同社は9月30日にダルトンから株式の大規模買付行為の取り下げに関する書簡を受領したとして対応方針の手続き「終了」を発表したが、「懸念は依然として解消していない」として当初の方針を翻した。
あすか製薬HDはダルトンらへの対応方針を存続する理由について、「対応方針を期間満了前に廃止した場合、ダルトンらがMBO による非公開化を含む自己利益の追求のみを目的とした当社株式の更なる買増しを行い、一般株主との間で利益相反が生じ、当社の中長期的な企業価値ないし株主共同の利益を毀損する可能性が否定できない」と判断したと説明している。
◎ダルトン「株価下落はあすか社の経営陣への失望」 継続的にエンゲージメントを続ける
一方、ダルトン側はあすか製薬HDの今回の判断に先んじて10月6日に声明を発表。あすか製薬HDの9月30日の発表以降、同社の株価が大幅に下落していると指摘し、「株価下落の原因が株式の自由な売買という株式市場の大原則を歪めたあすか社の経営陣への失望があると考えられる」と強調。来年(2026年)の株主総会も含めて、「継続的にエンゲージメントを続ける予定」とのスタンスを表明している。