大塚製薬 米・トランセンド社を買収 次世代PTSD候補化合物「TSND-201」を取得 開発加速へ
公開日時 2026/03/30 04:51
大塚製薬は3月27日、大塚アメリカ Inc.を通じてTranscend Therapeutics, Inc.(トランセンド社)を買収すると発表した。同社は、2021年に設立した精神・神経疾患への迅速作用型治療薬の開発を進めるバイオテクノロジー企業。大塚製薬は、26年度第 2 四半期中に買収手続きを完了させる予定。また、大塚製薬は買収完了時に 7億米ドルを支払うほか、開発品の売上に応じた販売マイルストンとして最大 5億2500万米ドルを支払う可能性がある。
今回の買収で大塚製薬はトランセンド社の次世代PTSD候補化合物「TSND-201」を取得し、開発を続けることになる。同剤は、メチロンを有効成分とする迅速作用型のニューロプラストゲン(脳内ニューロンの神経可塑性を誘導する化合物)で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを対象とした治療薬候補として開発が進められている。成人の PTSD 患者を対象に同剤の有効性、安全性、忍容性を評価する第2相臨床試験「IMPACT-1」をすでに実施している。同試験では、TSND-201またはプラセボを週1回、計4回経口投与した後、その後6週間追跡した。その結果、TSND-201群はプラセボ群と比較して、CAPS-5 総重症度スコアにおいて、ベースラインから 64日目までに速効性かつ統計学的に有意な改善を示し、主要評価項目を達成した。
◎大塚製薬・井上社長「TSND‑201は精神科治療におけるパラダイムシフトになり得る」
大塚製薬の井上眞代表取締役社長は、「TSND‑201は精神科治療におけるパラダイムシフトになり得るものとして大きな期待が寄せられている」と強調。「我々の強みとトランセンド社の革新的アプローチを掛け合わせることで、TSND 201を新たな治療選択肢として患者さんにお届けできるよう、規制当局と緊密に連携しながら開発を進めたい」と意欲を示した。
一方、トランセンド社のBlake Mandel CEO 兼共同創業者は、「大塚製薬とは我々が創業時から掲げてきた“患者への貢献”という理念を深く共有している。大塚製薬とともに TSND-201の開発を進め、この共通の使命を実現していけることを誇りに思う」とコメントした。