薬粧連合が城内担当相に要望書 成長戦略で医薬品産業を投資産業へ 転換に向け人材育成支援を
公開日時 2026/06/01 04:49

医薬化粧品産業労働組合連合会(薬粧連合)は5月29日、政府が策定に向けた検討を進める成長戦略に向けた要望書を城内実日本成長戦略担当相に手渡した。要望書では、「医薬品産業を削減すべきコストから、成長を促す投資産業」に位置付けるべきと主張。医薬品産業成長戦略の観点から、人への投資の重要性を強調。スタートアップと企業の橋渡し人材や、バイオ医薬品、製造・品質保証人材の育成支援を訴えた。このほか、医薬安全保障の観点から、国内で開発・製造された医薬品への優遇措置も要望した。城内担当相からは、特に安全保障の観点から医薬品の重要性についてコメントがあり、医薬品産業を国として支えていく必要性について認識が示されたという。
◎新薬創出や安定供給へ「創薬・開発・製造と実用化までリードできる人の存在が不可欠」
政府では官民投資ロードマップの策定に向けた検討を進め、創薬エコシステムの構築、治験環境の整備、CDMOの国内基盤強化などが検討事項にあがっている。薬粧連合は、「これらの投資が真に革新的な新薬創出や安定供給に結びつくためには、創薬・開発・製造と実用化までリードできる人の存在が不可欠」との認識を表明。具体的には、スタートアップと企業の橋渡し人材、実践的バイオ医薬品人材を育成する産学官連携教育基盤の整備(アイルランドNIBRT等を参考)、GMP人材育成と資格制度の導入(特に製造人材、品質保証人材)、マイナンバーカードを利用した治験情報の本人への通知(医療データの1次利用)などを求めた。
◎医薬安全保障 国内で臨床試験を実施した新薬や国内生産医薬品への優遇措置を
医薬安全保障の観点からは、国内での安定供給体制構築は「国家の安全保障上極めて重要な課題」と指摘。官民投資ロードマップにおいて、「複数年度にわたる予算措置や税制支援を含めた多角的な政策支援を迅速に実行すべき」と主張した。具体的には、国内で臨床試験を実施した新薬や国内生産医薬品への優遇措置、特定重要物資の追加と出口戦略まで含めた供給体制の支援、老朽化した設備への投資、AGの薬価見直しの延期を訴えた。
このほか、社会保障制度の観点から、現在の国民会議では議論されていない、社会保障制度のあるべき姿の議論できる場の設置も要請した。
薬粧連合によると、城内担当相は、感染症治療薬に対する国内環境の整備や、免疫グロブリン製剤の自給率100%達成など、具体例にも触れながら、医薬品産業を国として支えていく必要性について認識を表明。ドイツを中心としたEU各国と医薬品のサプライチェーンで協力することの重要性にも触れ、原薬・中間体を含めた安定供給体制の構築や、有事を見据えた国際連携の必要性について言及したという。
薬粧連合は、「引き続き、医薬品産業が削減すべきコストではなく、未来への成長投資として位置付けられるよう、政策提言活動を進める」としている。