科研製薬 イベルメクチンのローション剤「KAR」を承認申請 アタマジラミ症を対象疾患に
公開日時 2026/06/09 04:49
科研製薬は6月5日、アタマジラミ症治療薬候補・KAR(開発コード)を承認申請したと発表した。KARはイベルメクチンを主成分とするローション剤。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発企業の公募が行われ、同社が2019年に米国Arbor Pharmaceuticals社から国内の開発・事業化権を取得し、国内開発してきた。
KARは、既存治療で効果不十分なアタマジラミ症を対象とした国内第3相試験で、本剤を塗布した患者群では基剤を塗布した患者群よりも高い治癒成功率を示し、その差は統計学的に有意だった。安全性は、「開発上の問題となる副作用や重篤な副作用は認められなかった」としている。
有効成分のイベルメクチンは、アタマジラミの神経・筋細胞に存在するグルタミン酸作動性Cl-チャネルに作用し、麻痺を起こすことで殺虫効果を示すと考えられている。また、イベルメクチン自体にアタマジラミの殺卵作用は認められていないが、卵にも塗布することで、塗布後に孵化した幼虫に対して殺虫効果を発揮すると推察されている。米国ではSkliceローション0.5%としてアタマジラミ症の治療に使用されている。
アタマジラミ症は、アタマジラミが頭髪に寄生することで発症する疾患。主な症状はそう痒。幼稚園や保育園などの集団生活の場で発生しやすいことから、小児を中心に発症が認められている。近年、沖縄県を中心に既存の治療製品に抵抗性を示すアタマジラミが増加しており、治療上の課題となっている。こうした状況を受け、日本皮膚科学会等の団体が、医療上必要性の高い未承認薬として本剤の開発を厚労省に要望していた。