上野厚労相 βラクタム系抗菌薬・セフトリアキソンを特定重要物資に追加へ 取組方針の改正案でパブコメ
公開日時 2026/07/01 04:52
上野賢一郎厚労相は6月30日の閣議後会見で、βラクタム系抗菌薬・セフトリアキソンナトリウム水和物を特定重要物資に追加する方針を明らかにした。同抗菌薬は一般的な手術時の感染予防等のため、診療ガイドライン上の推奨薬として広く用いられている。ただ、原材料や原薬はほぼ100%が中国に依存しており、供給途絶が発生すると国民の生存に大きな直接的影響を与える可能性がある。上野厚労相は、「サプライチェーンの最新の点検結果を踏まえ、新たに特定重要物資の要件に合致することが確認された」と説明。セフトリアキソンを特定重要物資に追加する取組方針の改定についてパブリックコメントを同日から開始するとした。
上野厚労相の方針を受けて医政局医薬産業振興・医療情報企画課は同日付で「抗菌性物質製剤に係る安定供給確保を図るための取組方針の改定案について」と題するパブコメの募集を公開した。意見募集は7月30日まで。
◎30年ほど前はβラクタム系抗菌薬の多くが日本で製造 現在はほぼ100%が中国に依存
セフトリアキソンが分類されるβラクタム系抗菌薬は、日本で使用される注射用抗菌薬の85%以上を占め、肺炎等の感染症治療や手術時の感染予防に必須の薬剤に位置づけられる。一方で、30年ほど前まではβラクタム系抗菌薬の多くが日本で製造され、グローバル市場に輸出していたが、現在は採算性の観点から国内で製造されておらず、原材料は、ほぼ100%中国に依存している。
政府はすでにβラクタム系抗菌薬4成分(①セファゾリンナトリウム、②セフメタゾールナトリウム、③アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム、④タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム)について、2023年から製造事業者における国内での製造設備や備蓄設備等の構築の支援等を実施。2030年までに供給途絶時においても医療現場において必要な量を切れ目なく安定供給できる体制を整備することなどを定めている。
◎セフトリアキソン 27年から国内の製造設備や備蓄設備など支援 32年までに完了
今回はセフトリアキソンを追加し、2027年から国内での製造設備や備蓄設備等の支援を行い、安定供給体制構築に取り組むことを定める。また、2032年までに国産原料由来の原薬の商用国内生産設備及び備蓄設備の構築を完了。国内で製造した原薬の販売先である製造販売業者による薬事上の手続等に要する期間等を考慮し、2033 年までに供給途絶時においても、医療現場に切れ目なく安定供給できる体制を整備する旨、新たに定める方針を明記する。
◎サイバーセキュリティ対策の強化の文言を追記
さらに、近年サイバー攻撃事案が頻発しており、サイバーセキュリティ対策の強化が求められている状況を踏まえ、事業所において、SCS評価制度(セキュリティ対策評価制度)やJC-STAR制度(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)などのサイバーセキュリティへの対応を求める文言を追記するとした。