医療経済実態調査 一般病院の損益差額はマイナス4.2%に拡大 日医が会見でプラス改定を要望

公開日時 2017/11/09 03:52
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厚生労働省は11月8日の中医協に、医療経済実態調査(2017年実施)の結果を報告した。2016年度の一般病院(全体)の損益差額はマイナス4.2%で、15年度のマイナス3.7%から0.5ポイント拡大した。国公立病院を中心に一般病院と精神病院の経営は厳しさを増し、調査開始の1967年以降、3番目に低い値となった。厚労省保険局は給与費が2.1%増となったことが影響したとの見方を示した。

◎診療側・猪口委員「民間病院は経営を続けるのが厳しいところまで悪化」


一般病院(全体)の損益差額率を経営主体別にみると、医療法人がプラス1.8%(15年度・プラス2.1%)だったのに対し、国立はマイナス1.9%(同・マイナス1.3%)、公立はマイナス13.7%(同・マイナス12.8%)で悪化した。精神科病院では、15年度のプラス0.2%から16年度にはマイナス1.1%にまで低下した。一般診療所(全体)の損益差額率は、プラス8.2%(同・プラス8.7%)。一般診療所(個人)は、プラス19.1%(同・プラス17.6%)、医療法人はプラス6.9%(同・プラス7.9%)だった。

診療側の猪口雄二委員(全日本病院協会会長)は、「いかに病院経営が悪化しているかはっきりしている」と指摘。繰り上げ金で収益の悪化を賄っているとし、「民間病院では、これまで以上に経営を続けるのが厳しいというところまで悪化している」と述べた。

そのほか、保険薬局(全体)の損益差額率はプラス7.8%(同・プラス8.4%)。経営主体別にみると個人はプラス10.2%(同・プラス9.8%)と改善した一方、法人はプラス7.7%(同・プラス8.3%)で悪化した。同一法人の店舗別に見ると、20店舗以上の大型チェーン薬局ではプラス12.1%(同・プラス12.8%)で最も良い結果となった。

◎日医中川副会長が記者会見 公立病院は機能転換やダウンサイジングを

日本医師会の中川俊男副会長は同日、日本医師会館で記者会見に臨み、厚労省の発表した医療経済実態調査の結果について、「近年になく、病院経営が悪い」との受け止めを示した。18年度診療報酬改定には、薬価を引き下げた上で「限りなくプラス改定を求めていく」と主張した。

中川副会長は、「民間病院は血のにじむような努力をしている」と主張した。特に、一般病院では一般会計からの繰り越しを行っても、損益差額がマイナスであることを問題視した。医療法人が経営する一般病院についての損益差額率はプラス1.8%だが、「医療機器や建物などを更新して、良い人材を採用して医療の生産性を上げるにはこれくらいの収益ではもたない」と強調した。

一方で、経営の悪化が重なる公立病院については、「莫大な税金が投入され維持していく状況が続いている」と指摘。総務省が新公立病院改革ガイドラインを策定したことを踏まえ、病床数のダウンサイジングを含めた再編・ネットワーク化や、経営形態の見直しを進めるべきとの考えを示した。中川副会長は、「もし区域内で民間医療機関と公立が競合していたら、多額の税金が投入されているということはどうなのか。改革プランを真摯に受け止めて、自ら(公立病院)の行く末を考えていただきたい」と述べた。


◎11月22日に「国民医療を守るための総決起大会」開催へ

18年度診療報酬改定をめぐる議論は、医療経済実態調査の結果公表を受け、政府・与党間の駆け引きが本格化する。10月25日に財務省が2%半ば以上のマイナス改定を主張するなど、医療関係団体への風当たりも強まっている。日本医師会はこの日の会見で、11月22日に「国民医療を守るための総決起大会」(主催:国民医療推進協議会=会長・横倉義武日医会長)を東京都内で開催することを明らかにした。大会には、先の衆院選で大勝した与党議員も多数参加する模様で、一気にプラス改定への機運を高めたい考え。

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