ファイザー・原田社長 新薬創出加算見直しで「パイプラインを再評価」 イノベーション評価の後退続けば対日投資に影響も

公開日時 2018/01/29 03:52
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ファイザー日本法人の代表取締役社長に17年12月1日に就任した原田明久氏は1月26日、本誌取材に応じ、薬価制度改革での新薬創出加算の見直しを受け「パイプラインの再評価をしなければならない」との考えを明らかにした。その結果についてグローバル本社と話し合い、影響の程度を見極めていくという。新薬に対するイノベーションの評価が後退し続ければ、中期的には本社の対日投資に悪影響が出るおそれがあるとも指摘した。
 
新薬創出加算は今回の見直しで対象範囲が限定される。その後一部要件が緩和されたが、イノベーションを十分に評価するものではないとして製薬業界の反発が強い。原田社長は、同加算見直しを受け、作用機序の新規性や他社と開発の進捗動向などを観点から、日本のパイプラインを再評価すると明言し、「その結果を本社と話し合い、個々のプロダクトへの影響を見極めていかなければならない」と述べた。再評価によって、開発優先度の見直しや開発の取り止めにつながるかどうかは明言しなかった。
 
同加算の見直しを含む今回の薬価制度改革については「非常に(事業への)インパクトが大きい。本社は、イノベーションの評価が削がれかねないと受け止めている。これが今後も続けば、対日投資へのマイナスの影響が出てくる可能性がある」との見方を示した。例示として、主流となった新薬開発のグローバルスタディにおいて、「フェーズ3で最も大きな投資をしなければならない時に、コンペティターの状況も考慮に入れた上で、そこで(本社により)1つの判断がされてしまう可能性がある」と説明した。さらに、AMEDによる実用化促進や国のバイオベンチャー振興の一方で、そこから得られた成果に対する評価にも影響しかねないことだとして、研究開発促進策に対しても懸念を表明した。
 
日本の事業環境「大変厳しくなる」も成長回復狙う

同社は16年度(15年12月~16年 11月)の国内売上は7.4%減の4737億円と、5000億円を下回った。日本の事業環境について原田社長は、薬価改定前の買い控えに始まり、毎年の薬価改定を含む薬価制度改革などで「大変厳しくなっていく」との認識を示した。そのうえで、「しかし我々は、患者さんにとってインパクトのある薬剤を持っており、薬価が下がろうとそれ以上のボリュームで、というのが一つのチャレンジになる。加えて、新薬のローンチが続くので、業績の回復を狙っていきたい」との姿勢を示した。

成長ドライバーとして、世界初のCDK4/6阻害薬で、17年12月に発売したイブランスカプセルを挙げ、承認取得したの乳がん以外のがん腫に対しても高いポテンシャルがあるとして「重要な戦略品」と位置付けた。同年11月に発売となったメルクセローノと共同開発した抗PD-L1抗体バベンチオ点滴静注(ファイザーはコ・プロ)についても「大事な製品」と指摘した。
 
その上で、「オンコロジー、炎症・免疫、ワクチン、ジーンセラピー、希少疾患、痛みの各領域で革新的な新薬を創出し、絶対的な競争的優位に立ちたい。それが患者さんのためになる」と、中期的な成長に向けた抱負を語った。

現在のMR数は「必要」 


スペシャリティ製品が主力になる中での現在の2400人のMR体制について原田社長は、戦略品の成長と安全対策に確実に取り組むため「今の人員体制は必要だと考えている」と述べた。その中で、薬局薬剤師による副作用報告が強化されることを受け、RMPを用いた説明を推進し、薬剤師を通じた報告も支援する考えを明らかにした。

また、より患者のQOLの改善を意識した活動を推進するとし、それに向け営業所内での話し合い活性化するよう求めていく姿勢を示した。医薬品情報活動はサイエンスをベースに行うことが重要であることを強調。MR活動と、営業以外のメディカルの活動の「両輪でやっていく」とした。

業界として課題になっている医薬品情報活動の生産性向上と効率化については、個々のMRの経験だけではなく、医師の興味や領域などの自社の顧客データベースを元に、個々の医師のニーズに合わせ、デジタルも活用して総合的に進めるとした。

今後の加速が見込まれる地域包括ケアシステムの中での営業活動では、「(地域医療連携の支援など)どう我々が貢献できる考えていかなければならない。支店長が地域の情報を営業所長から吸い上げて、考えていってほしいと思う。営業目標のゴールと併せて、話し合いながら取り組む体制づくりをしたい」との意向を示した。
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