厚労省・広告活動監視モニター事業 中間報告で「違反疑い」項目30件 MRの口頭説明含む

公開日時 2018/04/12 03:52
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厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課は4月11日、同日開催した厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会に「2017年度医療用医薬品の広告活動監視モニター事業」の中間報告を行った。2か月の実施期間中に、延べ23製品について適切性に関する疑義報告があり、違反が疑われる項目は延べ30件あった。違反が疑われるものとして最も多かった報告は「事実誤認の恐れのある表現を用いた」が9件で全体の39.1%を占めた。一方、疑義報告が行われた医薬品等に関する情報の入手方法としては、「企業の製品説明会」で、こちらも39.1%だった。

広告活動監視モニター事業は、MR、MSL等による広告・宣伝活動を対象としたモニター調査及び、医療関係者向けの専門誌、学会誌、製薬企業ホームページ、医療関係者向け情報サイトを対象とした記事体広告等に関して調査したもの。調査実施期間は2017年度中の5か月間とし、今回は中間報告に位置づけられる。

◎事実誤認の恐れ-MRによる口頭説明

違反が疑われる事項で最も多かったのは「事実誤認の恐れがある表現を用いた」もの。報告事例によると、担当MRがモニター医療機関のDI担当者に対し、根拠となるデータを示すことなく、「半量投与でも効果は全く変わらない」と口頭で説明していた。この事例については、インタビューフォームと審査報告書を確認したところ、1日当たりの臨床推奨用量の全量群、半量群、プラセボ群の比較試験の結果があり、当該薬剤の場合、用量依存的に吸収率を上げることも示唆された。よって、全量群と半量群では同等の効果が得られる根拠とはなりがたいと考えられ、「MRの発言は事実誤認である可能性が疑われた」としている。

◎信頼性に欠けるデータ/他社製品の誹謗中傷等-医局説明会でのスライド・口頭説明

次に報告の多かったのは「信頼性に欠けるデータを用いた」事案で、6件、26.1%を占めた。事例報告によると、MRが行った医局説明会において、国内1施設における造影剤6剤の副作用発現率のスライドを紹介。使用したスライドには製品名と発現率のみ記載され、n数も検定結果も一切示されていなかった。さらに、このMRは最も発現率の高かった他社の造影剤は副作用発現率が2倍近いことを強調し、「この製品はもともと副作用が多いと言われているので当然の結果」と他剤を誹謗するような発言を行っていた。この事案については、事実誤認の恐れのある表現を用いたことや、他社の製品を誹謗する表現を用いたことが指摘されている。

◎事実誤認の恐れのあるデータ加工-資材・製品情報概要

「事実誤認の恐れのあるデータ加工を行った」事例も5件、21.7%を占めた。報告事例によると、抗がん剤の総合製品情報概要に掲載された客観的奏効率のグラフが、インタビューフォームや論文に記載された表のデータと異なっていた。具体的には、製品情報概要では、「盲検期のデータ比較」とした上でプラセボ群の奏効例12例を奏効率の分子から除くことで、プラセボ群の奏効率が1%となっていた。この事例は、インタビューフォーム、論文のいずれにも製品情報概要のグラフは記載されておらず、このデータの加工によって効能効果が誇大に評価されかねない事例だったと報告している。

◎未承認の効能効果や用法用量を示した事例-MRによる口頭説明

「未承認の効能効果や用法用量を示した」事例は3件、13.0%あった。MRが医師へのプロモーションに際し、「将来的に既存薬剤に置き換わる製品であり、メーカーとしては便秘症治療薬の第一選択薬になると考えている」、「海外での適応は日本より広い」といった趣旨の発言をしていた。さらに、どのような患者が適応になるかという質問に「便秘を訴える患者に広く使用可能である」と回答するなど、承認外の効能効果をほのめかす発言が多く見られた。この事案は、承認範囲を逸脱する効能効果を積極的に紹介した事例で、加えて、他のモニター医療機関でも同様の説明がなされたとの報告もあがり、広範囲での影響が懸念された。
 

 

 

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