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高額薬剤問題で米・PhRMA 病院の法外な高額請求を指摘 10%の値上げも

公開日時 2018/09/11 03:50

米国における薬価高騰問題は、製薬企業に責任があるという論調が主だが、米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、一部病院が保険者や患者への非常に高額な請求をしているとの主張を展開している。PhRMAが9月5日、調査会社Moran Company社による委託研究を発表した。

◎調査対象の8%で仕入れ価格の10倍以上に値上げ 平均でも5%以上に


病院3792施設の全医薬品の薬剤費や保険償還請求額などを含めたメディケア&メディケードサービス庁(CMS)のデータを使って、病院の患者請求額や保険償還請求額を分析した。その結果、5病院に1施設が医薬品価格を仕入れ価格の7倍以上を保険者に請求しているほか、患者にも自己負担分を請求していることがわかった。病院がある薬剤を150ドルで購入した場合、患者には1050ドルで請求していることになる。調査対象の8%にあたる320病院では、10倍の値上げを行っていたことも分かった。調査対象となった病院では、平均的に約5倍の値上げを行い、この数字は、Moran社がかつて行った分析結果と一致した。

PhRMAのSteven J Ubl会長兼CEOは、「病院は毎年、バイオ・医薬品企業から価格交渉や強制的な値引きで数十億ドルを受け取っている一方で保険者や患者に対して、これら医薬品の価格を上げている」と指摘。そのうえで、「患者がもっと手ごろな価格の医薬品にアクセスできるように、我々は、薬剤費を上昇させている病院の『役割』に対処しなければならない」と解決の必要性を訴えた。

医薬品価格の値上げはしばしば、保険プランにおける高い償還価格の原因となる。民間保険者の半数以上は、病院外来部門を保険償還できる部分として一定割合持っている。このため、無保険者は、全額負担に直面せざるを得ないことになる。病院は、高額請求できる部分として、値上げによる儲けるチャンスへのインセンティブを持っている。

今回の委託調査報告は、病院の値上げが如何に患者負担を増やすかに的を絞った「コストについて話そう」というPhRMAのキャンペーンの一環。製薬企業は、トランプ大統領からも指摘を受けるなど、政治家や世論から値上げの元凶と批判されているが、PhRMAはその主張に対して、病院が大きな責任を持つことを訴えると同時に、批判の矛先を避けることをも試みたものとみられる。

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