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バルサルタン原薬問題で厚労省 ARBに発がん性物質の管理指標を設定 薬食審・安全対策部会

公開日時 2018/11/07 03:50

バルサルタンの原薬に発がん性物質が混入していた問題をめぐり、厚生労働省はARBについてN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)とN-ニトロソジエチルアミン(NDEA)の管理指標の設定を行うことを決めた。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で11月5日、報告された。ARBを製造販売する事業者には、管理指標に基づいて設定された管理値以下であることも求める。原薬への発がん性物質の混入をめぐっては、世界的にはバルサルタンだけでなく、イルベサルタンでも報告されており、国内の対応策が求められていた。

◎イルベサルタンでも発がん性物質検出


バルサルタンの原薬をめぐっては中国の製造所「Zhejiang Huahai Pharmaceutical Co.Ltd(以下、Huahai)で発がん性物質が検出され、世界的な問題となった。国内でも7月にあすか製薬は、バルサルタン錠「AA」の全ロットを対象に自主回収している。一方で、この問題はバルサルタンにとどまらず、欧米ではインドの「Aurobindo Pharm Ltd.」で製造されたイルベサルタンでもNDEAが検出されたことが公表されており、世界的にも調査が進められている。

◎製剤別の原薬限度値も設定 ICH-M7適用で「迅速な対応可能に」

厚労省は、ICH-M7に基づき、①許容摂取量、②不純物の限度値(許容限度値)-から管理指標について検討。許容摂取量については、NDMA:0.0959μg/日、NDEA:0.0265μg/日とした。

不純物の限度値については、製剤での限度値が困難な面があるとして、原薬で設定した。具体的には、▽バルサルタン(1日最高用量:160mg)NDMA限度値:0.599ppm、NDEA限度値:0.166ppm、▽イルベサルタン(200mg)、0.479ppm、0.133ppm、▽オルメサルタン(40mg)、2.39ppm、0.663ppm、▽ロサルタン(100mg)0.959ppm、0.265ppm-としている。

同省は、国際的に調和されたICH-M7の考え方を適応することで、科学的に妥当性の認められた最新のリスク管理を行えると強調。「仮に今後、NDMA及びNDEA以外の発がん性物質の混入が判明した場合であっても、ICH-M7の考え方に基づき、迅速な対応を図ることができる」としている。

◎インフルエンザ異常行動は95件に

このほか、同日の検討会では、2017/18シーズンで、インフルエンザに罹患し、突然走り出す、飛び降りるなど重度の異常行動を起こしたケースが95件であったことも報告された。薬剤別では、タミフル23件、アセトアミノフェン35件、リレンザ16件、イナビル26件、ゾフルーザ2件、ラピアクタ2件となった。これら医薬品の服用がなかった場合も16件あった。報告数は過去10シーズンで3番目に多い。厚労省では2007年からタミフルの10代への使用を原則禁止してきたが、異常行動との因果関係が明確ではないとして8月に使用制限を解除している。調査会で座長を務める五十嵐隆国立成育医療研究センター理事長は、「抗インフルエンザ薬を服用していない場合も含めて、罹患時の注意喚起を徹底することが適当だ」と述べた。

◎BCGワクチンからヒ素検出を報告


日本ビーシージー製造の乾燥BCGワクチンに添付している生理食塩水から微量のヒ素が検出されたことも報告された。同省は、「安全性に問題はない」としているが、委員からは管理体制や、情報伝達の在り方について指摘があった。このほか、過敏性腸症候群の再発症状改善薬セレキノンS(一般名:トリメブチマレイン酸塩、田辺三菱製薬)のリスク評価を行い、要指導医薬品から第1類医薬品に移行することも了承された。

 

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