中医協総会 ステミラックの薬価1495万7755円を了承 最適使用GL・留意事項通知発出へ

公開日時 2019/02/21 03:50
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中医協総会は2月20日、ニプロの再生医療等製品・ステミラックの薬価収載を了承した。算定薬価は1495万7755円。2月26日の収載予定。再生医療等製品の保険収載は3品目となる。安全性を確保する観点から、同日の中医協では、施設・医師要件などを定める「最適使用推進ガイドライン」とそれに伴う、診療報酬上の留意事項通知についても了承された。留意事項通知は2月25日に発出予定。

ステミラックは、ニプロが札幌医科大学と共同開発したヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞。効能・効果は、「脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善。ただし、外傷性脊髄損傷で、ASIA機能障害尺度がA、B又はCの患者に限る」。脊髄損傷に対する再生医療等製品では初めての保険収載となる。脊髄損傷から31日以内を目安に、患者の骨髄液から間葉系幹細胞を採取する。その後、体外で間葉系幹細胞を培養し、増殖させた後に体内に静注する。治験では、投与した13例中12例でASIA機能障害尺度1段階以上の改善が認められている。

新規性が高く、未知の副作用が起きる可能性もあることから、同省は、患者や施設、医師要件を明確化する「最適使用推進ガイドライン」が策定した。施設要件として、脊髄損傷患者の全身管理の可能なICUなどを有することや、標準的なリハビリテーションが実施可能な体制などを求めた。治療の責任者については、▽医師免許取得後脊髄領域を含む整形・脳神経外科に関する10年以上の修練を行う、▽脊髄損傷に関する30件以上の臨床経験がある、▽AISの評価が適切に行える―ことを求めた。

◎支払側・幸野委員 再生医療等製品“独自算定ルール”検討求める


同製品については、当初算定案の製品総原価が収載希望者であるニプロの提示した金額を大きく下回っていた経緯がある。厚労省保険局医療課の田宮憲一薬剤管理官は、品質管理や、専用の製造設備の原価償却費をどこまで認めるかなどの話し合いで製品総原価が下がったと説明した。

支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、iPS細胞由来製品上市の際に、同様なケースが起きる可能性を懸念。「原材料で加工する費用を積み上げて、値決めをする方式が再生医療に適しているのか、疑問がある」との考えを表明。現行制度では、製品特性に応じて医薬品、または医療機器の算定ルールに当てはめ、価格が決まる。幸野委員は、「類似技術との比較のやり方も考えていく必要があるのではないか」と再生医療等製品独自の算定ルールを検討する必要性を指摘した。

これに対し、田宮薬剤管理官は再生医療等製品が3製品しか収載されておらず、「経験が少ない」と説明。「今後、いくつかの製品が出てくるなかで事例を積み上げ、再生医療等製品に特化したルールにするか、検討する必要がある」との見解を示した。ただ、細胞を体外に取り出し加工する製造過程にはコストがかかることを認め、「安定供給の観点を考える」必要性にも言及した。

支払側の間宮清委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、単一施設での対応できず、治験段階での症例数が少ないことから、「副作用情報については、細心の注意を払って収集、公開してもらいたい」と要望した。また、脊髄損傷の患者は痛みなどでQOLが下がる例があるとして、「有用性評価も患者自身のQOLを含めた評価をしていただきたい」と訴えた。

▽収載は以下の通り。
ステミラック注(1回分)(ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞、ニプロ)
効能・効果:脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善。ただし、外傷性脊髄損傷で、ASIA機能障害尺度がA、B又はCの患者に限る
薬価:1495万7755円
市場予測(ピーク時9年後):投与患者数249人、販売金額37億円
加算:
先駆け審査指定制度加算(A=10%):理由「新規の作用機序を有し、世界に先駆けて日本で承認されたものである一方で、本品の臨床試験は、単施設で探索的な位置付けの試験(脊髄損傷患者を対象とした第Ⅱ相医師主導治験)として計画され、対照群が設定されておらず、対象症例数が少数であることから限定的な評価とした」
新薬創出適応外薬解消等促進加算:主な理由「新規作用機序」 

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