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AZ 新型コロナの予防・治療用抗体医薬「AZD7442」 国内P1開始でPMDAと協議

公開日時 2020/11/30 04:50
アストラゼネカ(AZ)日本法人の田中倫夫・研究開発本部サイエンス&データアナリティクス統括部長は11月27日に開いたオンラインメディアセミナーで、新型コロナウイルス感染症の予防や治療に用いる抗体医薬「AZD7442」について、日本での第1相試験の開始に向けて医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議していることを明らかにした。田中氏によると、同抗体はSARS-CoV2スパイクタンパクを標的とした2種類の長時間作用型抗体(LAAB:Long-Acting AntiBody、読み:ラーブ)を組み合わせたもので、「少なくとも半年は体内で存在できるようデザインされたもの」と説明した。

田中氏はパンデミックワクチンプロジェクト日本リード執行役員も兼務している。田中氏はこの日、「私どもはワクチンと抗体の2本立てで、コロナに対して、社会にしっかり貢献していきたい」と強調した。

抗体はAZD7442のことで、米英で第3相試験が進行中。田中氏は米英での試験を引き合いに、「日本もできるだけ早いタイミングでこのような試験に参加できるようにしていく。日本でしっかり第1相試験をしていく。このためにPMDAと協議している」と述べた。

また、同抗体が貢献する患者像やシーンとしては、▽ワクチン接種の安全性で懸念のある方▽免疫反応が弱い方▽免疫抑制薬を投与されている患者――を挙げ、「直接、抗体を投与することでウイルスから守れるのではないかと私どもは期待している」と話した。さらに、「単に防御用だけでなく、感染初期に治療目的で使うことも可能ではないかということで様々なP3が世界で行われている」と紹介した。AZは英国政府、米国政府それぞれと100万回分の供給で合意している。

■コロナワクチン候補「AZD1222」 国内生産で準備進める

新型コロナのワクチンとして開発中の「AZD1222」に関しては、英AZが11月23日に、中間解析の結果、コロナ予防に関する主要評価項目を達成したと発表した(記事はこちら)。解析は、2つの異なる接種計画の試験を複あわせて解析しており(combined analysis)、平均した予防効果は70%だった。最初に半量を接種し、1か月後に全量のワクチン候補を接種した群では90%の予防効果を示した。

この日のセミナーで田中氏は中間解析結果の詳細には触れなかった。最初に半量投与した方がなぜ予防効果が高いのかなどの質問にも、「更なる検討が必要」と話すにとどめた。

ただ、同ワクチンの生産体制に関しては、「パンデミックワクチンというのは、ある意味で国内の安全保障との話になる。当社としては国内製造にこだわっている」と述べ、日本国内で生産できるよう準備を進めているとした。また、医療機関へのワクチン配送時の条件としては、「現在のところ2~8度、冷蔵庫レベルで保管、保存、配送するとの前提で準備を進めている」と明らかにした。
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