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中外製薬・奥田社長 R&Dのアウトプット倍増、自社創製品の毎年上市に意欲「DXの貢献必ず含まれる」

公開日時 2021/05/13 04:52
中外製薬の奥田修社長は5月12日、オンライン記者懇談会に臨み、2030年に向けた新成長戦略の考え方を披露した。同社が掲げる2030年の姿とは、「R&Dのアプトプットを倍増し、自社グローバル製品の毎年上市」を実現するというもの。奥田社長は成功に導くキードライバーに、①RED SHIFT(RED:リサーチとEarly Developmentの総称)、②DX、③オープンイノベーション-の3点をあげ、世界最高水準の創薬実現と先進的事業モデルの構築に注力する考えを表明した。国内の製薬企業として頭一つ抜きにでた感のある同社のDXは、「中長期的なアウトプットの飛躍的な向上に必須なもの。その中にDXの貢献が必ず含まれる」と自信をのぞかせた。

◎まずはリサーチ&アーリーデベロップメント(RED)にリソースを集中

同社は、今年2月に2030年に向けた新成長戦略「TOP I (トップアイ)2030」を発表したところだ。「まずはリサーチ&アーリーデベロップメントにリソースを集中し、投資を拡大して、アウトプットの向上を図る」-と語る奥田社長。中外製薬の強みは「価値創造の源泉である創薬から臨床のProof of Concept(PoC)を取得するまでのトランスレーショナルリサーチをさらに強化していくことにある」と述べ、「このためにはすべてのバリューチェーンにおいてデジタルを徹底的に活用し、これまで以上に果敢に生産性向上に取り組んでいく必要がある」と強い意欲を示した。新成長戦略に刻み込んだ毎年1製品以上の上市(アウトプット)と、それを実現する人材や組織、そして新たにもたらされる先進的事業モデルの姿を一言で表現したものだ。

◎トップイノベーター像実現へのカギ 「中分子創薬を成功させる」年度内に臨床試験入りも

創薬分野のフォーカスエリアについて奥田社長は、「中分子創薬を成功させる」と表明した。「これまでの低分子や抗体で出来なかった治療を中分子創薬で実現できる可能性がある」と奥田社長は言い切る。「トップイノベーター像実現のカギとなる」とも見通した。中外製薬が持つ中分子の創薬技術は、これまで困難とされた細胞内タフターゲット(タンパク)を標的にできるというもの。加えて経口投与が可能となるなど、患者にとってのメリットも大きい。奥田社長は、「既存のモダリティでは解決の難しかったアンメッドメディカルニーズへのソリューションとなる可能性が大いにある」と述べ、「最初のプロジェクトの今年度中の臨床試験入りを目指す」と断言した。さらに、並行して生産技術の確立なども進める方針を明らかにした。

◎国内営業体制 最適な情報を、最適なタイミングで、最適なルートから出せる仕組みを整備

国内市場についての見解を奥田社長に聞いた。「市場予測をみても主要国の中で唯一成長しない。むしろシュリンクする予測もある」と見通しながらも、「新型コロナによる医療従者側のデジタル許容度も急激に変化、向上している」と強調。営業体制については、「リアルMRに加えて、リモート、Web、デジタルツールを介したコミュニケーション、そしてデジタルだけのコミュニケーション(MRを介さない)などを想定し、中外独自の専用Webサイトとのミクスチャーを作り上げているところと明かしてくれた。その上で、「医療従事者にとって、最適な情報を、最適なタイミングで、最適なルートから提供できる仕組みを構築している」と述べた。

奥田社長はまた、今後の中外製薬のポートフォリオには精神神経疾患や眼科領域などの新薬が含まれるとし、「ポートフォリオをみて、それに合わせた営業体制のトランスフォーメーションが求められている。これに対応した形をいま考えているところだ」と明かしてくれた。
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