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新型コロナワクチンモデルナ筋注 バイアル異物は「ステンレス」 9月2日から3ロットを自主回収

公開日時 2021/09/02 04:51
「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の未使用のバイアルに異物が見つかった問題で、厚労省は9月1日、武田薬品から調査結果について報告を受けたと発表した。ロットに見つかった粒子状の異物は、製造機器の破片「ステンレス」だった。厚労省は、「ステンレスは、心臓の人工弁や金属製のステープルなどの医療機器に使用されており、極めて小さな粒子状の金属が仮に筋肉内に注入された場合でも医療上のリスクが増大する可能性は低い」としている。武田薬品は厚労省との協議を踏まえ、3ロット、約162万回分について、全国約900会場から9月2日以降、自主回収に着手する。

◎武田薬品とモデルナ社 製造ラインのモジュールに取り付けた金属部分の設置不具合

バイアル内の異物は、8月中旬以降、東京都など5都県、8会場で、未使用の39バイアルから異物が見つかっており、8月26日から対象3ロット(ロット番号:3004667、3004734、3004956)の使用を見合わせていた。

武田薬品が同日公表した調査結果の報告書によると、異物が混入したのは、「ロット番号3004667」。同社は厚労省と連携し、ワクチンの製造元であるモデルナ社およびモデルナ社の欧州における委託生産拠点であるスペインのROVI Pharma Industrial Services, S.A.社(以下、ROVI社)の調査を実施した。

その結果、特定された粒子状異物は、ワクチンの製造ラインのモジュールに取り付けられた2つの金属部品の設置不具合による摩擦に起因することが最も可能性の高い原因とされた。

2つの部品はスターホイールと、ゴム栓をスターホイールに供給する部品で、「ロット番号3004667」を製造する前の製造ライン切り替え中に不適切に部品が配置されたと考えられるとした。ROVI 社の調査によると、「この製造上の不具合は、現在使用を見合わせている 3 ロットに限定されたもの」としている。

一方、モデルナ社が委託した独立調査委員会によると、「ロット番号3004667」のバイアル内から得られた粒子状物質を詳細に分析したところ、粒子状物質が「316ステンレススチール」と同定された。この結果はROVI社の原因調査と一致するとしている。

再発防止に向けてROVI社は、①全ての製造ラインの目視による再確認、②製造ライン切り替え時の標準業務手順書の改善、③内部プロセス管理として、自動目視検査実施時の適切な限度値の設定-について措置を講じたとしている。

◎被接種者の健康・安全に過度のリスクをもたらすことはない

武田薬品とモデルナ社は安全性評価について、「ワクチン薬液内にステンレススチールがごく少量存在したとしても、被接種者の健康・安全に過度のリスクをもたらすことはなく、また、ワクチンのベネフィット・リスク評価に悪影響を及ぼすことはない」とコメント。さらに、「ステンレススチールは心臓の人工弁や関節置換、金属製の縫合糸やステープルなどの医療機器に用いられている。当該ロットで見つかったきわめて小さな粒子状金属が仮に筋肉内に注入された場合でも、医療上のリスクが増大する可能性は低い」とも強調した。

◎接種後2件の死亡事例の調査 接種の因果関係は確認されていない

一方、ワクチン接種後の2件の死亡事例の調査について武田薬品は、モデルナ社製ワクチン(ロット番号 3004734)接種の因果関係は確認されていないと指摘。「現在のところ相互の関係なく偶発的に生じたものと考えられる。今後、因果関係の有無に関する正式な調査を実施していくことが重要」とコメントした。

自主回収の対象は、ロット「 3004667(約5万7000本、約57万回接種分)」、「3004734(約5万2000本、約52万回接種分)」、「3004956(約5万4000本、約54万回接種分)」。
 
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