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JCRファーマ・芦田会長兼社長 「第2の創業期を迎えた」 グローバルスペシャリティファーマ目指す

公開日時 2021/11/05 04:51
JCRファーマの芦田信代表取締役会長兼社長は11月2日に公開した2021年度第2四半期決算説明動画と、それに続く4日の質疑応答(カンファレンスコール)の中で、「我々はいろいろな疾患領域での画期的な医薬品創出に貢献できる第2の創業期を迎えた」との認識を示した。また、「希少疾病領域におけるグローバルスペシャリティファーマという目標に向かってチームJCR一丸となり頑張っていく」と決意を示した。

◎武田薬品とのJR-141めぐる契約締結「経済的条件を含め非常に満足している」

9月30日に武田薬品と、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を適用したムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群)治療酵素製剤JR-141(国内製品名:イズカーゴ)のグローバルでの開発、販売に関する契約を締結し、①米国外のライセンス契約一時金②米国におけるオプション権を付与する対価③開発事業化の進捗に応じたマイルストーンフィー④上市後の製品売上に応じたロイヤリティ収入―の権利を獲得。

芦田会長兼社長は「経済的条件を含め非常に満足している。J-Brain Cargoを評価していただいた結果だと思っている」と述べた。JR-141に関しては、日本ではイズカーゴの製品名で発売済み、ブラジルで承認申請中、またグローバル第3相試験の投与開始を22年早期に予定している。

武田薬品とはJR-141に限定した提携となったが、現在研究開発を進めている17のライソゾーム病(先天代謝異常症の一種)治療薬の展開について、芦田会長兼社長は「地域や、その疾患がウルトラレアか、そうでないか等を精査し自社販売を行うのか、他社とのライセンス導出を行うのか検討を進めていきたい」とした。

◎血液脳関門通過型ムコ多糖症I型治療酵素製剤JR-171「複数社が興味を示している」

グローバル臨床第1/2相試験段階にある血液脳関門通過型ムコ多糖症I型(ハーラー、ハーラー・シャイエ、シャイエ症候群)治療酵素製剤JR-171について、芦田会長兼社長は「既に複数社が興味を示している。さまざまな条件を勘案し交渉を進めていく」とし、カンファレンスコールでは「できれば来期中に契約を締結したい」と述べた。この他、カンファレンスコールでは「来期についてはいろいろなスキームを考えている。フェーズ1、2に入るであろうものの契約や、ウルトラレアの希少疾病を集めてどこかと一緒に契約してグローバルに出ていくことも考えている」とも述べた。

◎新型コロナワクチン「バキスゼブリア筋注」の原液製造 バッチの全ての製造を完了


一方、アストラゼネカ社と20年12月に受託契約を締結した新型コロナウイルスワクチン「バキスゼブリア筋注(AZD1222)」の原液製造に関しては「(21年)12月をめどに予定したバッチの全ての製造を完了する予定だ」と話した。

連結売上高は前年同期比159.2%増の283億8300万円、営業利益は943.3%増の136億4000万円。前年同期に1000万円だった契約金収入が75億5700万円に拡大。また、AZD1222原液出荷の売上が80億4600万円と大きく寄与した。

契約金収入およびAZD1222原液出荷、その他を除く製品売上は16.4%増の127億2800万円だった。21年5月に発売したイズカーゴは9億8500万円を売り上げた。芦田透専務取締役(営業・管理担当)はカンファレンスコールで「我々が初年度に想定していたより非常に速いペースで患者への浸透が図られている」とコメントした。

19年8月のESA製剤ネスプのバイオAG発売や、相次ぐ経口HIF-PH阻害薬発売という激しい競争環境の中、同社の腎性貧血治療薬(エポエチンアルファBS注、ダルベポエチンアルファBS注)の合計売上は11.2%減の30億1100万円となった。急性GVHDに用いる再生医療等製品テムセルは118.9%増の17億1700万円。「前期の前半に在庫ひっ迫に伴う出荷制限がかかり、前期は少なくなっている。なお、一昨年の同時期(15億2700万円)と比べて増収になっている」(太田義博管理本部経理部長)とした。

通期の連結業績予想については、9月30日の武田薬品とのJR-141に関する提携契約発表と併せて期初予想の修正を発表し、売上高・各利益予想を30億円引き上げており、今回その変更はない。なお、武田薬品との契約金の内容は非開示としている。

【連結実績 (前年同期比) 21年度通期予想(前期比)】
売上高283億8300万円(159.2%増) 520億円(72.8%増)
営業利益  136億4000万円(943.3%増) 217億円(162.4%増)
親会社帰属純利益92億3400万円(652.6%増) 154億円(123.4%増)

【国内主要製品等売上(前年同期実績)、通期予想、百万円】
グロウジェクト 6,689(6,538)13,900
イズカーゴ 985(―)2,800
エポエチンアルファBS注 1,512(1,696)2,700
 
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