武田薬品は3月3日、ジャパンファーマビジネスユニット（JPBU）に「コマーシャルエクセレンス部」、「データ・デジタル＆テクノロジー部」を新設すると発表した。また、医療政策・マーケットアクセス統括部を「医療政策・ペイシェントアクセス統括部」に改め、患者貢献を主眼とする組織体制に見直す。いずれも4月1日付。このほか完全子会社の日本製薬の血漿分画製剤事業を希少疾患事業部（RDBU）に統合させ、両社で情報提供・収集活動を実施する方針も示された。

◎新設する「コマーシャルエクセレンス部」　ノンコア製品に関する戦略・方針の立案も

今回のJPBUの事業運営体制の見直しは、患者の疾患に対する気づきから診断、治療、その後の継続フォローまでの「ペイシェントジャーニー」の実現を様々なソリューションを使って支援することが狙い。このため今回の組織見直しでは、各ビジネスユニットに共通する専門的な機能を集約し、部門横断的にサポートすることにある。新設する「コマーシャルエクセレンス部」は、市場調査、活動インパクトの分析、情報活動資材や教育資材の企画・作成・品質管理、ＭＲ認定継続教育の実施などを通じて各ビジネスユニットの製品戦略をサポートする。さらに、各ビジネスユニットが管轄する領域に該当しない製品（ノンコア製品）に関する戦略・方針の立案を担い、各ビジネスユニットと連携して管轄する製品の情報提供活動、有害事象や品質情報の収集を実施する。

◎スタッフは最先端テクノロジーの専門家集団という位置

一方、「データ・デジタル＆テクノロジー部」は、データやデジタル技術を駆使し、医療関係者や多様なステークホルダーに向けてデジタルプログラムやデジタルソリューションを創出し、提供する。同社のグローバル方針に沿った考え方で、スタッフは最先端テクノロジーの専門家集団という位置づけ。データ管理やデータ分析を通じ、質の高い情報提供を可能とするプラットフォームやチャネルを整備し、ＡＩを含む革新的技術を使った顧客体験の実現などをリードする。

◎患者向けサポートプログラムの企画・実施　

組織改編する「医療政策・ペイシェントアクセス統括部」には、疾患啓発活動とペイシェントサポート活動のそれぞれを担うチームを設置する。これにより、希少疾患のように診断率の低い疾患に対する早期診断や診断率の向上などをサポートする。さらに、患者向けサポートプログラムの企画・実施を通じ、ペイシェントジャーニーのあらゆる場面で可能な限りの支援を実施する方針だ。患者貢献を重視しており、患者団体との連携なども視野に入れている。

◎GIBU、NSBUは10地域制　ワクチン事業部は東西２地域制

このほか4月1日付で日本製薬の血漿分画製剤事業を希少疾患事業部（RDBU）に統合し、当該製品の情報提供・収集活動を一緒に実施する方針も示された。なおJPBUのＭＲは疾患領域の特性に応じた地域編成としている。このうち消化器疾患事業部（GIBU）と神経精神疾患事業部（NSBU）のＭＲ配置は10地域制、ワクチン事業部（Vx.BU）は東日本および西日本の2地域制となる。

◎RDBUはフランチャイズ制　ノンコア製品は施設担当MRが担う

一方で希少疾患事業部（RDBU）は地域制ではなく、専門分野ごとのフランチャイズ制を採用している。また、部門横断的に地域医療への貢献をリードする地域統括責任者を置き、一体となって地域医療に貢献できる体制を強化する方針も示された。

このほかJPBUの各ビジネスユニットが管轄する領域に該当しない製品（ノンコア製品）に関する有害事象や品質情報の収集・提供は、個々の医療機関に対する代表担当者（施設担当 MR）が担う。

◎消化器疾患事業部長に谷垣任優氏　神経精神疾患事業部長に宮柱明日香九州沖縄支店長

武田薬品は3月３日、ジャパンファーマビジネスユニット（JPBU）の４月１日付人事異動を発表した。▽消化器疾患事業部長・谷垣任優（人事部付出向）、▽神経精神疾患事業部長・宮柱明日香（営業本部九州沖縄支店長）、▽希少疾患事業部長・濱村美砂子（レアディジーズビジネスユニットヘッド）、▽ワクチン事業部長・今川昌之（グローバルワクチンビジネスユニット日本ワクチン事業部長）、▽コマーシャルエクセレンス部長・宮田裕子（営業本部営業戦略部長）、▽事業戦略部長・事業企画部・平井浩行（プレジデントオフィス部長）、▽データ・デジタル＆テクノロジー部長・松野玲子（グローバルインフォメーションテクノロジーコマーシャルIT IT&デジタルジャパンヘッド）、▽医療政策・ペイシェントアクセス統括部長・岩下圭二（医療政策･マーケットアクセス統括部長）。