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エーザイ WHOのフィラリア症制圧活動で治療薬無償提供へ 日本メーカー初

公開日時 2010/11/19 04:02

エーザイは11月18日、世界の公衆衛生問題のひとつであるリンパ系フィラリア症の制圧に向けて、WHOに治療薬を無償提供すると発表した。リンパ系フィラリア症は、WHOが「顧みられない熱帯病」(=ネグレクテッド・トロピカル・ディジーズ=NTD)として、人類が制圧しなければならない熱帯病のひとつに位置付け、2020年の制圧を目指している。NTD制圧に向けWHOとの産官パートナーシップを組み、薬剤無償提供する日本の製薬企業は初めて。

エーザイの内藤晴夫社長とWHOのマーガレット・チャン事務局長が18日に都内で共同声明文に調印した(写真。エーザイ提供)。これによりエーザイが無償提供するリンパ系フィラリア症治療薬は、供給不足状態にあったジエチルカルバマジン100mg錠(一般名、以下DEC)。12年~17年の6年間に合計約22億錠製造する。DECは古くから使われている薬剤だが、エーザイは販売していない。流通しているものには粗悪なものも珍しくないといい、同社のインドの工場で製造することで品質を保証する。エーザイの負担額は約16億円。

リンパ系フィラリア症は蚊を媒介してヒトに感染する寄生虫症。主な症状の象皮病は足などが象の足のように大きく腫れる身体障害で、日常動作への影響だけでなく、障害に対する偏見などから患者や家族を精神的にも苦しめているという。アフリカなど途上国・新興国を中心に世界81か国1億2000万人が感染しているとされ、同症を完全に制圧するには感染者の住む地域にいる約3億人分の治療薬が必要になる。エーザイが供給する22億錠は3億人分に相当する。

WHOのマーガレット・チャン事務局長は、「エーザイの貢献により、リンパ系フィラリア症の被害を最も受けている貧困国におけるDECの供給状態が改善されることを期待している」とコメント。都内で会見した内藤社長は、「NTD克服にとっての大きな一歩となると確信している」と述べた。

 

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