田辺三菱製薬は10月29日、新規糖尿病治療薬として開発しているDPP-4阻害薬「MP-513」（一般名：テネリグリプチン）が欧州で８月にフェーズ２に、日本で10月にフェーズ３になったことを明らかにした。日本での承認申請には数年かかるとしている。

同日は、10年３月期第２四半期（４－９月）決算が発表され、原薬製造などを行うエーピーアイコーポレーションを連結子会社から持分法適用関連会社に変更したことが146億円分の減収要因となり減収。純利益は本社移転に伴う遊休資産の減損、メドウェイ事業休止による特別損失47億円を計上したことで減益となった。

国内の医療用薬事業だけをみると、関節リウマチ治療薬レミケードが28％もの伸びを示したほか、アレルギー治療薬タリオン、抗血小板剤アンプラーグ、高血圧などに用いるメインテートなど主力品、ワクチン、ジェネリックの伸びもあり、売上高は1721億円、4.2％増だった。

〔連結業績（前年同期比）10年度通期予想（前期比）〕
売上高　1982億3900万円（3.9％減）4080億円（1.6％減）
営業利益　274億5600万円（19.4％減）635億円（11.4％減）
経常利益　279億1000万円（20.6％減）635億円（12.5％減）
純利益　135億5200万円（17.3％減）325億円（22.5％増）

〔４－９月実績（前年同期）通期予想、億円〕
レミケード 227　（28.1）　468
ラジカット 139　（0.1）　278
アンプラーグ 95　（4.8）　189
セレジスト 84　（3.0）　170
ウルソ 83　（2.7）　166
デパス　59　（-0.4）　118
タナトリル 58　（-4.7）　112
ヘルベッサー 56　（-7.4）　111
メインテート 55　（8.6）　110
ヴェノグロブリン 49　（-10.8）　103
タリオン 41　（17.5）　122
リプル 41　（-3.6）　84
サアミオン 38　（-8.5）　73
ノイアート 29　（2.1）　58
オメプラゾン 29　（0.0）　56
ノバスタン 15　（-0.2）　30
ワクチン 131　（27.1）　232
ジェネリック 35　（81.1）　86