協和発酵キリン10-12年度中計 医薬事業を軸に成長図る
公開日時 2010/02/01 04:00
協和発酵キリンは1月29日、10~12年度3ヵ年中期経営計画を発表した。医薬事業を軸に成長を図り、09年度の売上高4070億円、営業利益(のれん消却前)403億円から、最終年度には売上高4540億円、営業利益610億円へ引き上げることをを目指す。
中計では「バイオテクノロジーを基盤とし、医薬を核にした日本発の世界トップクラスの研究開発型ライフサイエンス企業を目指す」とうたった。
中核となる医薬事業は、目標売上高2250億円、目標営業利益450億円で、売上高で全社の約半分、営業利益で全社の約7割を占める。目標達成に向け、ネスプなど透析による貧血などに用いる赤血球造血刺激因子(ESA)製剤のシェア拡大や、新製品の市場浸透、国内営業体制の再編成アジアでの自販体制強化などに取り組む。
新製品として、4月に日本イーライリリーから承継する抗パーキンソン剤ペルマックス、09年12月からゼリア新薬と共同販売する潰瘍性大腸炎治療薬アサコール、10年度中の発売を見込み、久光製薬と共同販売するがん性疼痛に用いるHFT-290を挙げる。
既存製品では、バイオシミラーの登場により苦戦も予想されるESA製剤では売上減少を最小限にとどめる一方、抗アレルギー剤アレロック、維持透析下の2次副甲状腺機能亢進に対し用いるレグパラの売上拡大を図る。独自の抗体技術の導出などによる輸出・技術収入も強化し、09年度180億円から12年度には240億円に伸ばす計画を立てた。
同日、4月1日から実施する新しい営業体制と人事異動も発表した。17支店のうち8支店について、近隣の支店を統合し、13支店体制に見直す。見直し内容は次のとおり。東東京と西東京を統合して「東京支店」、名古屋と東海を統合して「名古屋支店」、大阪と神戸を統合して「大阪支店」、福岡と南九州と統合して「九州支店」とする。
営業本部関連の人事異動は次のとおり。新任執行役員=新職・大阪支店長(現職・マーケティング部長)川野敏郎、営業統括部長(営業企画部長)杉谷浩。部長移動=営業企画部長(南九州支店長)東田祐一、マーケティング部長(製品戦略部長)大石卓史、名古屋支店長(名古屋支店長)重宗寛、九州支店長(福岡支店長)原秀男