IMSヘルスが3月16日に発表した調査レポート「医薬品新興国市場の大変革」で医薬品市場の高成長率が期待できる同社定義の「医薬品新興国市場(Pharmerging market)」を従来の7カ国から17カ国へと増やした。同レポートでは現時点で新興市場で大手製薬企業15社のうちヨーロッパ系企業の方がプレゼンスが高く、アメリカ系企業は出遅れている現状を指摘している。
現在大手製薬企業15社合算のこれら市場の売上割合は9.6%と決して高くない。ただ、製薬企業別では、トップのバイエルが20%超、サノフィ・アベンティス、ノバルティスは15%前後、GSK、ファイザー、ロシュは12%未満と明暗を分けている格好になっている。
また、同レポートでは新興国市場ごとに環境が異なる中で、バイエルが生活習慣病領域市場が伸びている中国で自社品の過血糖改善薬グルコバイやCa拮抗薬アダラートを投入して売上を伸ばしていると説明。そのほか、ノバルティスがロシア市場でOTCやジェネリック品に注力していることなどを例示し、市場環境とその変化に適した戦略の重要性を強調した。
一方、同レポートでは、急成長中か急成長する余地が大きいものの、不確定要素も多い「第3フェーズ」に位置付けた「急伸追随国」13カ国のうち、直近で医薬品市場が23%増、ヘルスケア関連予算の減少が認められず、新たな薬価制度の構築に着手しているルーマニア、病院市場の伸びが著しいベトナム、医薬品の承認スピードが速いエジプト、アルゼンチンを有望市場としている。
(The Pink Sheet 3月22日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから