IMS 米国市場 特許切れピークも14年まで年平均3~6%成長
公開日時 2010/04/22 04:01
IMSヘルスは4月21日、日本法人を通じて、2014年の世界の医薬品市場は年平均5~8%成長して1兆1000億ドル規模に達する見込みとの最新の市場予測を発表した。主要先進国市場が年平均3~6%成長するのに対して、中国やロシアなど17か国で構成する医薬品新興国市場は14~17%と2桁成長するという。この新興国市場では14年までに、市場が1200億~1400億ドル拡大すると分析、「過去の先進国市場並みの成長になる」としている。一方、米国市場は年平均3~6%成長して14年に3600億~3900億ドルになる見通し。
09年の世界の医薬品市場は8370億ドル(成長率7.0%増)で、このうち米国市場は3000億ドルだった。
一方、14年までの主要先進国市場について、「特許切れがピークを迎え、後発品が主要薬効領域の主役になる」とした。今後5年間に売上高1420億ドル以上の医薬品が後発品との競争にさらされ、高脂血症治療薬や抗精神病薬、抗潰瘍薬などでは世界全体で約800億~1000億ドルの薬剤費支出が減少すると分析した。特に米国では金額ベースで全体の約3分の2が特許切れとなり、11年~12年にピークを迎えるとした。このピーク時に売上上位10製品中6製品が後発品との競争に直面するとしている。
そのほか、疾患領域別に14年までの動向をみると、腫瘍、糖尿病、多発性硬化症、HIVの分野で年平均10%超成長するとした。新薬上市や患者アクセスが拡大するほか、後発品が入手できる他の分野から資金が流入することが背景にあるとしている。