PhRMA がん治療薬900剤を開発中
公開日時 2010/08/25 04:00
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は8月19日、PhRMA加盟各社が、がん治療薬の開発に注力しているとの声明を発表した。米国がん学会(ACS)とLIVESTRONGが、がんによる経済損失の報告書をまとめたことを受けたもの。
PhRMAはがんによる膨大な経済的損失を回避するには、有効な抗がん剤の開発が不可欠と指摘。その上で、同協会メンバーが現在、約900剤にのぼるがん治療薬・ワクチンを開発中と報告した。900剤の内訳は、肺がん122剤、乳がん107剤、結腸直腸がん70剤、前立腺がん103剤など。
声明では、がん患者の平均余命は▽1980年から3年伸びた▽延命の要因は83%が医薬品を含めた新規治療法に帰する▽がん患者の生存率の延長に対する医薬品の寄与は50~60%――との研究を引用。医薬品による貢献を強調している。なお、シカゴ大の研究によれば、がんによる死亡を10%減少させるとその経済的価値が約44億ドル相当にのぼるという。
PhRMAは、抗がん剤の開発は経済的価値でのみ測定できるものでなく、救命という価値の追求だとし、その価値を求めて、研究開発に邁進していると訴えている。