日本アレルギー協会はこのほど、花粉症患者の意識調査結果を発表した。患者の85％以上が日常生活に支障を感じているほか、内用薬服用者の６割以上が集中力・判断力・作業能率の低下を感じていることがわかった。この集中力などの低下を感じている人を詳細に見ると、市販薬服用者で低下を感じる割合が高く、同協会は「正しい花粉症治療を受けるために、アレルギー診療を行う医療機関へ行き、医師に相談しよう」と呼びかけている。

調査は今年３月８日～４月30日にインターネットで実施した。有効回答数は1200人。その結果、日常生活に支障を「強く感じる」「感じる」は計86.2％だった。内用薬服用者に対して集中力・判断力・作業効率の低下を感じるかどうかを聞いた（n=561）ところ、「強く感じる」「感じる」は計62.4％にのぼった。この集中力などの低下を感じる人のうち、処方薬服用者では「強く感じる」「感じる」が計57.8％、市販薬服用者では計69.3％となり、市販薬服用者で10ポイント以上高い結果となった。

また、自身の自覚に関わらず集中力・判断力・作業効率が低下した状態を指す「インペアード・パフォーマンス」という用語を知っているかどうかを聞いた（n=1200）ところ、知っている人は18.6％にとどまった。自覚なく作業効率などが低下している可能性があり、同協会では、この用語や状態の啓発に注力する考え。