米ファイザー エンドセリン受容体拮抗薬テリンの販売と臨床試験の中止を発表
公開日時 2010/12/17 04:00
米ファイザーは12月10日、同社がヨーロッパなどで発売している肺動脈高血圧症を適応とするエンドセリン受容体拮抗薬テリン(一般名:シタキセンタン)の販売と臨床試験を中止すると発表した。市販後調査や臨床試験から肝障害による死亡例が発生したことが原因。ファイザーから報告を受けた欧州医薬品庁では死亡例が2例であることを明らかにしている。
今回の決定は、こうした致死的肝障害が頻度は稀とはいえ、予測不可能であり、最終的にはベネフィットを上回るとの判断に基づくとされている。
テリンはもともと08年にファイザーが1億9500万ドルで買収したEncysive Pharmaceuticals社の製品。アメリカでは06年3月に追加臨床試験を条件に承認見込み通知を受けたが、同社とFDAの見解の相違から、3度にわたってFDAから追加臨床試験を求められ、その後も臨床試験を実施していた。
日本でも過去に厚生労働省の未承認薬未承認薬使用問題検討会議で、早期承認対象として俎上にのったこともあるが、現在までに臨床試験は行われていない。
ヨーロッパでは06年、カナダ、オーストラリアでは07年に承認されているが、いわゆる希少疾病医薬品であるため、これまでの推定服用患者は約1100人。10年の第3四半期までの総売上高は4400万ドル。